シニア世代退職者の国内・海外旅行事情


最近、シニア世代が、還暦や引退をきっかけに長期に海外旅行やクルージングに出向く事が話題を集めています。
個人的なことですが、先日、私からは少し年上の50〜60代の先輩方の飲み会に混ぜていただいたのですが、今年ちょうど還暦を迎えた方が奥様と行かれた地中海クルージングのことが話題になっていました。現役世代の頃とは違って、気持ちや時間に余裕があったので楽しい旅だったと楽しそうに話していました。

実際にシニア世代の方の海外旅行の頻度はどの程度なのか、また、その旅行の目的などを探ってみたいと思います。

60台前半に増える海外旅行

まず、統計の数字を見ると、少々出鼻をくじく話になりますが、シニア世代が多く旅行をしているわけではないようです。総務省が行っている社会生活基本調査によれば、むしろシニア世代の方が旅行に関しては消極的な様子が見てとれます。
以下は世代別の国内旅行、海外旅行の実行頻度のグラフですが、どちらも若い世代の方がその頻度が高い傾向にありました。

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出典:平成23年社会生活基本調査(総務省統計局)

シニア世代の方の旅行頻度が低い理由ですが、加齢による体力の低下や、それに伴う不安にあるといえるでしょう。特に、75歳以上で旅行頻度の低下が目立ちます。

ただ、国内旅行のグラフには、実家への帰省も含まれる点に注意が必要です。シニア世代よりも若年層の方が帰省の頻度は多いでしょうから、純粋な観光旅行でいえば、国内旅行に関してはシニア世代と若年層の頻度は変わらないか、シニア世代の方が多い可能性もあります。

また、海外旅行に関してはグラフに特筆すべき特徴があり、60歳〜64歳の世代が一時的に増加しています。これは、やはり定年に合わせて旅行に出かけられる方が多いからだと思われます。
この調査は平成23年のものですので、その後定年延長などもあり、今はシニア世代の海外旅行のピークは少し遅くなっている可能性もありますが、退職後に海外旅行へ行かれる方は多い可能性が高いでしょう。

なお、調査範囲を東京都に限定しますと、少し異なる結果になります。

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出典:平成23年社会生活基本調査(総務省統計局)

東京は居住者の収入や資産規模がその他の地域に比べて高い地域のためか、国内旅行・海外旅行ともに発生頻度が全国平均に比べて高くなります。また、60歳以上のシニアの海外旅行が急に増えるといった特徴が見られません。一方、若年層の方がシニア世代に比べて旅行頻度が高い点や、75歳以上の世代の旅行頻度が急落する点は同じです。

シニア世代が旅行に求めるものは思い出と落ち着いた時間?

シニア世代の方が海外旅行へ求めるものですが、リクルートの行ったアンケート調査結果に面白い内容があります。

【参考】体力に自信のない高齢者とその家族の海外旅行ニーズについての研究

上記の調査によれば、高齢者世代が海外旅行へ行く目的の一番は、「家族や親族との思い出作りや絆を深めたいから(62%)」になるそうです。また、二番目には「リフレッシュしたいから(58%)」が入りました(先ほど、会社を退職した直後と思われる60歳〜64歳の海外旅行頻度が高いと述べましたが、「リフレッシュしたい」と多くの方が感じられているのかもしれません)。

また、どのようなツアーに参加したいかという調査にも、高齢者やその同居家族ともに、「行程がゆったりとしている」を挙げた人が多くなっています。またそうしたツアーに対しては、お金を追加で払ってもよいと考えている人も高齢者で 29%、同居家族で22%存在したとのことでした。

また、どのような旅行をしたいのかという調査には、「有名な観光地を巡りたい(64%)」、「日本とは違う気候、風景、町並みを味わいたい(59%)」という回答が一番二番となっています。 他の回答も「おいしい食事・名物などを味わう(52%)」「ゆっくりと興味のある観光スポットをまわる(45%)」等の回答数が多くなっています。駆け足でいろいろな観光地をまわるのではなく、観光地を絞ってまわり、おいしい食事で家族との時間や現地の雰囲気を楽しみたいという気持ちが強いといえるでしょう。

特別な目的があって海外旅行に行くのではなく、海外旅行を手段として、家族と時間や経験を共有し絆を深めるきっかけにしたいという思いが覗えますね。


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