国民の10人に1人が認知症?〜その診断法と予防法〜


認知症患者は2025年に65歳以上の5人に1人となり、700万人を突破するという予測もあります。
認知症は日本人の国民病とも言えるほどに罹患の可能性が高い病気です。年齢とともに発生する可能性が高くなる病気ですので避けられない場合もありますが、なるべく自分や家族が罹ってしまうことは避けたいし、予防ができるのなら予防したいと思われる方は多いでしょう。一度認知症に罹ってしまうと、ご自身の人生も大きく変わりますしご家族に負担はかかります。年代別にみると、74歳までは認知症有病率は10%以下ですが、85歳以上で40%超となり、また、ほとんどの年代で女性の方が高いというのが現状です。

今回の記事では、認知症の治療や予防についての情報をお届けします。

早期発見・予防の重要性

認知症は、アルツハイマー病などの様々な理由によって脳の神経細胞が死んでしまい脳機能の一部(記憶や認知など)が弱ってしまう病気です。そのため、一度罹患してしまうと元には戻りません。進行を抑えることはできますが、失ってしまった神経細胞は今の医学では戻しようがないからです。
将来的には、もしかしたら神経細胞の再生が可能になることもあるかもしれませんが、人間の記憶は神経細胞同士のネットワークに保存されるため、神経細胞の再生ができてもそのネットワークまでの再現はできず、認知能力は回復するかもしれませんが、失った記憶は戻らない可能性が高いと言われています。

そして、だからこそ認知症への対処は早期に発見し、その進行を食い止めるということに尽きるのです。
なお、認知症には完全に罹患する前に、正常な状態からの移行段階であるMCI(軽度認知症会)という状態があります。これは記憶の障害は起き始めていますが、日常生活を送る上で支障は出ていない状態です。この段階で早期発見し、進行を止めることができれば望ましいでしょう。

早期発見のための診断方法

認知症対策には早期発見が重要ではありますが、どのように発見に努めれば良いのでしょうか。一般的に認知症の兆候がある場合は病院の「物忘れ外来」などを訪れます。そして医師からご本人やご家族に対して種々の質問がなされ、判定テストや、CT・MRIなどでの脳の画像スキャンを行い認知症か否かを診断します。

しかし、このような伝統的な方法は認知症が進行してからでないと判別ができない場合が多く、より早期発見に適した方法の研究が世界中の医療機関や研究施設で研究されています。
その中で、特に有望そうなものを見ていきましょう。
以下のような方法でMCIの疑いが強い場合、薬などを用いてその進行を抑制することになります。

・PET診断

認知症はその原因となる病気も1つではありませんが、アルツハイマー病由来の認知症が一番猛威を振るっています。そして、このタイプの認知症は脳の中にまず「アミロイドβ」というタンパク質が蓄積し、次にタウタンパクというタンパク質が蓄積することで神経細胞が破壊されて発生する病気です。
このことに注目し、脳に沈着したアミトリドβを画像化するための診断薬を投与した上で、PET(陽電子放射断層撮影)にて撮影し、アミロイドβの蓄積具合を見えるようにする診断方法が1つあります。

・簡易診断

もう1つMCIか否かを診断し認知症の早期発見を行うための方法として注目を集めているのが、
番町診療所 表参道(http://www.balisc.co.jp/home/index.shtml)などで受診できる簡易診断ツールによる診断です。これは、ディスプレイに表示されるテストに答える形の診断方法で、米国での50万件のデータベースを元にテスト結果からMCIや本格的な認知症の疑いがあるかどうかを判定します。低い金額で受けられるので、気になる方はまずはこの方法で診断してみると良いでしょう。

認知症の予防方法

最後に、認知症を予防するための生活習慣についてみていきましょう。
認知症に関してはその原理も完全には究明できていないので、予防方法も絶対のものというわけではないのですが、下記の方法は人体実験か動物実験のいずれか一方、もしくは両方で成果の出ている方法になります。

・1日30分以上の運動

1日に30分以上の運動は認知症の予防にとても有効だと言われています。例えば会社を定年退職されて自宅に引きこもりがちになっているのであれば、散歩などでも良いので運動の習慣を持つと良いでしょう。

・ポリフェノールの摂取

ワインや緑茶などに含まれるポリフェノールも認知症の予防・抑制効果が高いとされています。特にワインに含まれているポリフェノールの有効性は研究実績も豊富です。(ただ、飲み過ぎは他の病気の原因にもなるので注意してください。)

・魚貝や野菜中心のバランスのとれた食生活

このような食生活も、効果が高いと言われています。

・ストレスを溜めない生活

過度のストレスは神経細胞の減少や弱体化に繋がるため、ストレスを溜めない心がけも重要です。逆説的になりますが、「認知症にかかったらどうしよう」と過度に不安がることもストレスに繋がるため、予防のためにやれることをやったら後は認知症になっても仕方がないくらいに思っていた方が良いと言えます。


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