がんの治療は意外と安い?それとも高い?


現在、がんは日本人の死亡原因の1位であり、一生涯のうちにがんにかかる人は2人に1人もいると言われています。しかし、がん治療の進歩は著しく、がんは以前のような一度罹患したら助からない病気ではなくなりつつあります。事実、国立がん研究センターが2016年1月に発表したデータによれば、がん患者の10年生存率は58.2%と約6割に達します。

ただ、このこと自体はとても喜ばしいことなのですが、がんの治療は長期化しやすく、治療中の医療費や各種出費が嵩みやすいことが問題です。
今回の記事では、がんの治療費や関連支出について見ていきましょう。

【関連記事】
初めて調査が行われたがん患者の10年生存率から分かること
ガン検査を簡単にしてくれる血液検査による診断法

がん患者の医療費の目安は年間100万円?

一般的にがんに罹患してしまった場合の費用としてまず問題になるのは、その診察費や治療費などの医療費でしょう。始めに診断を受ける際の初診料に始まり、検査があれば検査費用、注射をすれば注射料と費用は嵩んでいきます。
これらの支出は公的医療保険の対象となるため、それほど大きな負担にはなりません。成人で70歳未満の方であれば、公的医療保険の負担割合は3割でしかないからです。
また、それでも治療にかかる費用が嵩んで3割負担でも厳しい場合、高額療養費制度が適用されます。この制度は公的保険制度に付随しており、医療費に関しては1ヶ月間の自己負担金額の限度額が定めているものです。

高額療養費制度での自己負担限度額は下記にように算出されます。
所得区分
・住民税非課税者・・・3万5400円
・所得区分約370万円以下・・・5万7600円
・所得区分約370万円〜約770万円・・・8万0100円+(医療費総額ー26万7000円)×1%
・所得区分約770万円〜約1160万円・・・16万7400円+(医療費総額ー55万8000円)×1%
・所得区分約1160万円〜・・・25万2600円+(医療費総額ー84万2000円)×1%
※個室を希望した場合の差額ベッド代や、入院中の食事代の一部、入院中の日用品や衣料品の費用はそもそも公的健康保険の対象にならないため注意が必要です。

このような制度もあるため、一般的な治療方法の範囲内であれば、がんの治療にかかる年間の費用はおよそ100万円前後で収まると言われています。そして、この費用をこれまでの蓄えや、個人的に加入していた保険からの給付金で賄っていくことになるのです。

医療費が高額となる場合

さて、上記のようにがんの治療は公的な保険制度を用いて行われますが、実は一部の高度医療や器具、治療法などはその対象外とされています。そのため、そうした先進的な治療を希望した場合、がんの治療にかかる費用は大幅に跳ね上がります。このことについても理解しておきましょう。

がん治療費の自己負担のパターンは以下のように分けられます。

①公的保険制度の範囲内で全ての治療を行う場合
②保険制度の対象ではないが厚生労働省から認可のあった先進医療の治療を受ける場合
③公的保険制度の対象ではない治療を、公的保険制度と同じ診療科で受ける場合
④公的保険制度の対象ではない治療を、公的保険制度と別の診療科で受ける場合

このうち①は先ほどもお伝えした通りで問題ありません。自己負担は3割ですし、それでも高額になる場合は高額療養費制度の対象になります。
次に②ですが、厚生労働省から認可のあった先進医療とは、公的保険制度の対象にならないので全額自己負担になりますが、それ以外の治療や入院費用に関しては公的保険制度の対象になるという制度です。ここまではそれほど問題ありません。
そして③ですが、公的保険制度の対象外であり、厚生労働省の指定する先進医療にも含まれていない治療を、治療を受けているのと同じ診療科で受けた場合、全ての医療費が保険の適用対象から外されます。こうなってしまうと、がんの検査や治療に関する費用は高額なものになってしまいます。
(これを混合診療禁止の原則と呼びます。)
最後に④ですが、この場合は公的保険制度の対象となる治療はそのまま、保険適用の対象となります。ただ、病院によってその切り分けが分かれることも多いため、実際に治療を受ける医療機関に良く確認をする必要があります。

混合診療禁止の原則が今後も貫かれる場合、より良い治療方法を積極的に求めようとすると、関連する医療費は高額なものになりやすいと言えます。こうした事態に備えるためには、いざという時の蓄えを用意しておくか、がん保険などに加入しておくのが良いでしょう。

【参考】
入った方お得なの?〜がん保険を考える〜


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。* が付いている欄は必須項目です。
※運営者にのみメッセージを送りたい場合は、「管理者だけに表示」にチェックを入れてください。