人気の糖質制限ダイエットはどういうものなのか?


健康上の理由や、見た目への美意識などからダイエット考える人は多くいますが、失敗する人も多く、ダイエットは簡単ではありません。そんなダイエットを確実に行うための方法論として注目を集めているのが近年大ブームの糖質制限ダイエットです。

糖質制限ダイエットの方法はシンプルで、摂取する糖質(炭水化物のこと)の量を抑制するというだけになります。つまり、炭水化物を多く含むお米やパン、麺類などを食べないようにする、制限するということです。

今回は、どうして摂取の制限がダイエットにつながるのか、また確実に糖質制限ダイエットを行うためにはどうしたら良いのかなどについてお届けします。

人間が太る仕組み

糖質の制限がなぜダイエットに繋がるのかを理解するために、そもそも人間が太る仕組みをおさらいしてみましょう。
現代は食べ物が溢れており、一般的に飢える心配はありません。いくつか課題もありますが、収入や資産のない方であっても公的な保護制度によって守られています。しかし、そのような時代は人類史において例外的であり、人類の歴史は飢えとの戦いの歴史でした。
飢えから守るために、消費する分以上の栄養は体内に脂肪として蓄えられ、これが肥満の原因です。
特に、人体が活動するエネルギーとなる栄養素が糖分であり、その原料となる糖質なのです。

以前は甘いものや脂質の過剰摂取が肥満に繋がるとされていました。しかし一般的な食生活を鑑みるとこれは必ずしも正しくはありません。最大の原因は食生活においてメインとなる糖質(炭水化物)の摂取にあります。
一般的な主食となる米や麦は糖質よって構成されていますが、これが体内でブドウ糖に変性され、人間が活動するための主なエネルギーとなっています。しかし、人体は糖質や糖分をそれほど多くは貯蔵できません(貯蔵可能な量は体重の1%程度と言われています)。そのため、余った糖質や糖は中性脂肪に変わり、脂肪組織として人体に貯蔵されます。それが、太るということです。

逆に言えば、糖分や糖質の摂取を抑制すれば新たに脂肪が蓄えられることもなくなり、不足している糖分は体内の脂質が分解されて構成されますが、これを新糖生といいます。つまり、ダイエットになるということであり、これが糖質制限ダイエットです。

糖尿病治療から生まれた糖質制限ダイエット

糖質制限ダイエットを日本に紹介したのは、医師で財団法人高雄病院理事長の江部康二氏と言われています。もともと江部氏は糖尿病の専門家として有名な方で、糖尿病の研究や糖尿病患者の治療を続ける中で糖質制限の健康効果やダイエット効果に注目するようになり、多くの関連書籍を出版されました。

【参考:江部康二氏の出版書籍】

本来、血中の糖濃度は自動的にコントロールされており、糖分や糖質を摂取しても無尽蔵に上がることはありません。なお、このように身体が常に一定の状態を保とうという仕組みをホメオタシス(恒常性維持機能)といいます。例えば身体を動かして熱が発生した場合に、体温を一定に保つために発汗によって体温調整されるなど、人体の様々な機能を総称すものです。
血中糖度は、血液中の濃度が一定以上になると膵臓からインスリンが分泌され、このインスリンが血糖の抑制や脂質の生成、脂肪組織による糖の取り込みを促します。しかし、あまりに長期にわたって過剰に糖や糖質を摂取してしまった場合、膵臓が酷使されてしまいインスリンが適切に分泌されなくなってしまいます。
そのため、血糖値が下がらなくなってしまい、これが糖尿病の正体になります。また血糖値が下がらなくなってしまったために、尿にも糖分が多く含まれるようになります(「糖尿病」という名称の由来)。

代表的な自覚症状は、糖の排泄を行うために尿が頻繁になってしまうことや、排尿による脱水などですが、最も怖いのは合併症です。合併症には幾つかの種類がありますが、基本的な仕組みはシンプルで血糖があまりに多くなってしまったため、その血糖が体内の毛細血管や神経を傷つけてしまうことによって起こります。例えば目の血管や神経が傷つけば視力低下や失明につながりますし、毛細血管多い末端部分(手足や男性器)の機能不全につながります。
(酷い場合は痛覚も麻痺してしまい、傷があっても気づかずに壊死が進み、足を切り落とさなければならないというようなことも起こりえます。)
またそのほかに血管障害の誘発にもつながるため、心筋梗塞や脳卒中の罹患リスクも高まります。

このように糖尿病は非常に危険な病気なのですが、現代医学では一度壊れてきしまった膵臓機能の回復は難しいとされており、残念ながら根本治療の方法は確立されていません。そこで症状を抑えるための対処療法が必要になるのですが、その主な方法論が体内生成されなくなったインスリンを外部摂取するか、もしくはそもそも糖分や糖質を摂取しないという方法になるのです。

江部氏は糖尿病患者に対して糖質制限の指導をするなかで、そのダイエット効果に注目し多くの本を出版してきました。それが世間に徐々に受け入れられ、近年の糖質制限ダイエットブームに繋がっています。

糖質制限ダイエットの続け方

糖質制限ダイエットを行おうとした時によく起こる問題が、食事における満足感の低下です。糖分や糖質の摂取は脳内麻薬の生成を呼び起こすため快感を感じやすいのですが、現代人はその快感に慣れきっており、一種の中毒状態とも言われています。その快感の源を減らそうというのですから、それなりに意思の力が必要になると言えるでしょう。

またもう1つは金銭的に問題です。「結果にコミットする」のTVCMでもおなじみのパーソナルトレーニングジムのライザップは筋トレと糖質の制限が主な方法論にしていますが、料金が高額なことでも有名であり、ベーシックなコースであれば40万円以上の費用が必要です。もちろんこうしたサービスを使わずにご自身で取り組まれればこうした費用はかかりません。しかし、糖質を制限した場合に一般的に食費が高額になってしまうのです。

RIZAP

もともと人類が米や麦などの糖質を多く摂取するようになったのは、栄養の摂取方法として効率が良いからです。現代の食生活に置き換えても肉や魚、野菜などだけで空腹を満たそうとした場合、米やパン、麺類も組み合わせた食事よりも費用が高くなってしまいます。主食を食べずにおかずのみを食べるのですから、金銭的に問題がなければ関係ありませんが、だいたい2〜3倍の予算になってしまうでしょう。

ただ、最近は糖質制限ダイエットのブームもあって、専用の良い食事も増えてきました。例えばコンニャク麺やおから麺などの食品です。コンニャクは海藻由来のため、糖質をほとんど含みません。また、おから麺は大豆由来であり、大豆は植物性のタンパク質で構成されています。

食事の満足感まで考えるとやはり糖質摂取の快感がない分物足りないと感じる方は多いと思うのですが、満腹感は得られるので良い選択肢とは言えるでしょう。あとはご自身の健康上の要請と身体的な美意識との間のバランスと言えます。


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