不動産投資や相続対策にも影響大?自動運転による社会の変化を予測する


近年、Googleやテスラモーターなど、米国の新興企業による自動運転関連のニュースがメディアを騒がせることが多くなりました。つい最近も、テスラモーターが自動運転による車庫入れ動画を公開し話題になっています。遠い未来の技術と思われていた自動運転も、既にすぐそこの近未来にある実現間近な出来事になってきています。

自動運転の実用化や一般化は間違いなく社会を大きく変えるでしょう。相続問題にも影響を与える可能性があり、それは土地価格への影響です。日本人の相続財産に占める土地の比率は大きく、国税庁の発表によれば40%を超えています。その土地の値段、特に宅地は職住接近の考え方のもと都心など市街地に近いほど高いのですが、自動運転が一般化すれば通勤負担の軽減によって、宅地としての郊外需要が高まり、逆に都市部や市街地にある宅地の需要が相対的に減少するかもしれません。

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今後、どのような時間軸でどのレベルまで自動運転技術が発展していく可能性があるのか、そのことによって生活がどう変わっていく可能性があるのかを見ていきましょう。

自動運転の発展段階と今後の予測

車の自動運転には、レベルが1〜5まで設定されています。まずは基本知識として各段階ではどのようなことが可能になり、それが何年ごろ訪れると言われているのかを見ていきましょう。2016年現在は既にレベル1が実用化されており、レベル2〜レベル3が一部登場しています。

レベル1:運転ミスの防止

これは2000年代半ばから既に実用化されているブレーキアシストや、前車追従システムなどによる運転補助の段階です。この段階では自動運転と言ってもドライバーが必須であり、運転体験自体は大きく変わりません。
きちんと運用すれば事故の発生率の引き下げには大きな効果が期待できます。

レベル2:ハンドルから手を離せる

レーンキープのための加減速や、ハンドリングを車が自動で行う段階です。2015年以降から徐々に実用化が始まっており、国内では日産が2016年8月発売のセレナに導入しています。市街地などでの本格利用はまだ無理がありますが、理論上は幹線道路や高速道路の運転時に少しハンドルを離して飲食を行うことなどが可能になっています。

レベル3:運転中での読書も可能に

運転をAIが代行する段階です。しかし、まだ人間のドライバーが運転席に座りAIをフォローしなければなりません。平常時であれば運転中に読書を行うことも可能ですが、実際に行って良いのかはその国の法律によります。
2017年頃からこうした機能を備えた車の市場への登場が増え出すことが見込まれています。

レベル4:ドライバーは座っているだけ

ドライバーは運転席に座っている必要はありますが、基本的な運転は全てAIが行ってくれる段階です。早ければ2020年頃には実用化がスタートすると言われています。
恐らくこの段階まで来ると、交通事故の発生時にドライバーと自動車メーカーどちらの責任になるのかなど新しい法律問題が誕生してしまうだろうと言われています。今後、実用化の過程で議論が進んでいくでしょう。

レベル5:ドライバー不要

さらなる自動運転の発展系として、車の中にハンドルやアクセル、つまり運転席というものがなくなります。ここまで来るのは早くても2020年代後半以降と言われていますが、本当に実現した場合には、移動空間がリビングにも寝室にもオフィスにもなるので革命的な変化と言えるでしょう。

郊外か都心か、生活の変化

上記のレベル分けで言えば、レベル4以降で社会は大きく変わり出すでしょう。通勤時間を運転に集中しなくとも読書や睡眠などそれぞれの好きな時間として過ごせるからです。自動車通勤者はその負担が大きく減りますし、仕事によっては移動時間中も業務に当てられるので、オフィスにいなければいけない時間も短くできるかもしれません。
またレベル5までの自動化が実現すれば、車を駐車するスペースの心配も無くなります。どこかに留めておかなくとも、走らせ続けておけば良いからです。それはさすがにエネルギー的に高コストだとしても、目的地で車を降りた後、自動運転で遠方の駐車場に停め、必要な時間にまた呼び出すようなことは実現するでしょう。
あるいは今もあるような車の共有サービスや配車サービスが、より進化した形で登場するかもしれません。

このよう大きな輸送革命が実現した場合、都心などの市街地と郊外の土地の価値に変化が生じるかもしれません。ただしこれに関しては相反する2つの意見があります。
1つは移動負担の減少によって都心部の土地の価値が縮小し、相対的に郊外での土地需要が大きくなるというものです。現在でも欲しいものの大半はAmazon.comなどを用いればリアル店舗に行かなくとも購入できますが、自動運転が実現すれば市街地に住む人でなければ得られなかったような楽しみを郊外でも得やすくなります。例えば、郊外に住む人にとって自宅から遠い市街地での酒席は体力的に大きな負担ですし帰りの運転があるので飲酒を控えなければいけません。しかし、自動運転の車で帰る分にはそれほど大変ではありません。

もう1つの可能性は移動の効率化が逆に都心の価値をさらに引き上げるというものです。タクシーなども自動運転が導入されれば運転手がいらなくなるため料金が下がりますし、上記の駐車場問題含めて都心の交通問題が抜本的に改善されれば、効率化が進む可能性があります。また自動運転と共有サービス両方の進展により、道路を走る車の台数は減少するかもしれません。

また、より大きな視点では、自動車産業のあり方が大きく変わり、日本の産業構造に大きな変化をもたらすかもしれません。自動運転時代の自動車の付加価値は、車の製造よりも自動運転技術の精度に移っていくかもしれません。
自動運転技術のソフトウェアのプラットフォームをGoogleが狙って自動運転技術への研究投資をしているという見立てもあります。

どのような未来に進むのかはまだまだ未知数です。しかしこうした変化は10年20年後にはかなり高い確率で起きてくるでしょう。長い目で見た相続対策を含むファイナンシャルプランは10年先20年先の未来がどうなるかにも大きな影響を受けるので、こうした事柄にもアンテナを張り、大きな社会の流れを把握しておくと良いでしょう。

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