人生の成功を決めるグリット(やり抜く力)を測るテスト


近年、アメリカのビジネス界や教育界でGRITという言葉に注目が集まっています。日本でもこの分野の第一人者であるペンシルベニア大学心理学教授のアンジェラ・ダックワース氏が書かれた「GRIT やり抜く力」という本が出版されたこともあって、徐々に注目が集まるようになってきました。

これまでの膨大な研究や調査の中で、人生において成功を収めるためには、才能以上に「粘り強く努力を続ける力」の重要性がわかってきました。
グリットは先天的な要素のみで決まるものではなく、日頃の心がけや工夫で伸ばせるものでもあることも分かってきました。つまり、努力を継続することで、自分自身や自分の子供のグリットを伸ばすこともできるのです。

そのために、まずは現状の自分のグリットがどの程度のものなのか把握してみたいでしょう。
そこで、今回の記事では、「GRIT やり抜く力」を参考に、自分のやり抜く力を測るためのテスト、グリット・スケールをお伝えします。

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米国陸軍士官学校を通して生まれたグリット・スケール

米国では軍人は社会的に尊敬を集めており、米国陸軍士官学校は優秀な学生の志望者が多い難関校です。毎年1万4000名ほどの入学志願者がいますが、そのうち実際に入学を許可されるのは1200名程度であり、合格者達は学業成績が優秀なのはもちろんのこと、ほぼ全員が各高校を代表するクラスの運動選手でもあります。

しかし、それほど優秀な学生のみが入学してくるにも関わらず、卒業までに20%の候補生が脱落し中退してしまうのです。中退者の大半は、あまりの厳しさに「ビースト」と呼ばれる入学初年度の夏に開かれる7週間の基礎訓練で脱落してしまいます。
入学段階で十分なセレクションを行っているはずなのに、中退率が高いことを学校側や陸軍も長く問題視しており、ビースト及びその後の過程を耐え切れる人間と脱落してしまう人間の違いは何かという研究が始まりました。
この研究には「GRIT やり抜く力」の著者のアンジェラ・ダックワース氏も加わり、その研究の中で生まれたのが、人間の現時点でのやり抜く力を測る「グリット・スケール」と呼ばれるテストです。

ビーストなどの過酷な訓練を耐え抜き、無事に卒業を果たす学生と脱落してしまう学生の間に入学段階での学業成績や基礎体力などの違いは特にありませんでした。だからこそ学校や陸軍も長く頭を悩ませてきました。
しかし研究が進む中で生み出されたグリット・スケールのスコアと、実際に卒業まで耐え抜けるかどうかの間には、高い相関関係が見られたのです。

やり抜く力を測るテスト

実際のテストの内容を見てみましょう。以下の10個の問いに順番に答えて頂き、合計点を10で割った数字があなたのスコアになります。

全く
当てはま
らない
あまり
当てはま
らない
いくらか
当てはまる
かなり
当てはまる
非常に
当てはまる
1.新しいアイディアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう。 5 4 3 2 1
2.私は挫折をしてもめげない。簡単にはあきらめない。 1 2 3 4 5
3.目標を設定しても、すぐに別の目標に乗り換えることが多い。 5 4 3 2 1
4.私は努力家だ。 1 2 3 4 5
5.達成まで何ヶ月もかかることに、ずっと集中して取り組むことがなかなかできない。 5 4 3 2 1
6.一度始めたことは、必ずやり遂げる。 1 2 3 4 5
7.興味の対象が毎年のように変わる。 5 4 3 2 1
8.私は勤勉だ、絶対にあきらめない。 1 2 3 4 5
9.アイディアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある。 5 4 3 2 1
10.重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。 1 2 3 4 5

また、下記は上記で求めたあなたのグリットが、社会の中でどの程度の位置にあるのかを見るための指標です。日本ではなくアメリカ人の例ですが、参考になるでしょう。例えばグリット・スケールが3.1の場合、ちょうどアメリカ人全体の真ん中ぐらいのやる抜く力を持っていると言うことですし、4.5の場合は上位10%に入ることになります。

アメリカ人の成人グリットスコア
パーセンタイル値 グリットスコア
10% 2.5
20% 3.0
30% 3.3
40% 3.5
50% 3.8
60% 3.9
70% 4.1
80% 4.3
90% 4.5
95% 4.7
99% 4.9

(出典:アンジェラ・ダックワース著「GRIT やり抜く力」)

なお、アンジェラ氏は「やり抜く力」について、「情熱」と「粘り強さ」の2つに因数分解しており、「情熱」のスコアは問いの中の奇数番目の問題が、「粘り強さ」のスコアは偶数番目の問題が関係しています。ここでいう情熱は、1つのことに集中することができるか否かということであり、粘り強さは困難やトラブルがあっても継続することができるかどうかという意味になります。

また上記のテスト結果はあくまでも現時点で自己評価です。周囲から見れば違った結果になるかもしれませんし、時間が経つことでスコアが変わることもあり得ます。ただ、自分自身のことや自分の子供や部下のことなどを理解するための指標にはなるでしょう。

やり抜く力を伸ばすために?

アンジェラ氏は、やり抜く力を伸ばすための方法論として著作の中で様々なアプローチを提案しています。その根本的な理論として、人生や仕事、勉強の中で上位の目的を意識することを特に重要視しています。言い換えれば哲学を持つ重要性と言えるでしょう。

スポーツが分かりやすいでしょう。いくら精神的な粘り強さがあったとしても、怪我や故障による挫折の可能性はゼロではありません。そうした時にスポーツに取り組むこと自体より上位の目的・哲学がある人は、他の目標を見つけて頑張ることができます。例えばスポーツをする目的が、仲間と切磋琢磨することや、自分の限界に挑戦することという目的の手段だった場合は、故障などで行っていたスポーツができなくなっても他のスポーツやスポーツ以外の別の分野でその目的を達成できる方法を見つけられやすくなりますし、一貫した目的・哲学によりやりたいことが継続できるでしょう。。
また仕事で言えば、仕事をする意味や目的が明確な人は目の前の案件や企画が頓挫したとしても、他のテーマで再挑戦しよう気持ちの切り替えができますが、そういったものがない人はなかなか立ち直れません。

己を内省し、見つめ直すことがGRITを養う上でとても重要になるのです。大人であれば時間をとってこうした内省を行うこともできるでしょうが、幼いうちからそうしたことが自然とできる子供は稀です。親など周囲の大人が、子供に語りかけ対話を通して、本人の目的意識を少しずつ明らかにしていくような手助けをしてあげる必要があるでしょう。


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