現役ビジネスパーソンが考えておきたい実家の片づけと相続の準備


相続が発生した後に、実家の片付け(遺品の整理整頓と実家自体をどう処分するか)が問題視されることが増えてきました。
実家に残って家を継ぐ兄弟姉妹がいる場合は遺産分割のこと以外に特に大きな問題はありません。しかし、相続人となる人は50代〜60代、次いで30代〜40代が多いのですが、その世代は既に少子化が始まり出した世代で、それよりも上の世代の人達に比べて兄弟姉妹が少なくなっています。そのため実家に誰も家族が残っていないという場合も多く、実家の維持管理や片付けが問題になりやすいのです。
30~50代の世代の方々は現役のビジネスパーソンという場合も多く、相続発生前も後もあまりまとまった時間が取れません。そうしたことも実家の片付けや整理が問題になりやすい理由です。

このような問題の発生が懸念される場合、結局は時間をかけて少しずつ問題の種を消していくしかありません。今回の記事では、現役のビジネスパーソンの方がなるべく早く始めたい実家の片付けについてお届けします。

都内でも増加する空き家問題

今日本全国で空き家の問題がクローズアップされています。少子高齢化の進展や、都心部への人口流入などによって、まずは地方から空き家の増加は深刻な問題となってきました。空き家が発生してしまうと個人としてはまず毎年の固定資産税やその他の維持費が発生し続けてしまいます。
また公共的な観点からも空き家は不法侵入などの犯罪の温床になる可能性がありますし、道路に面している建物の場合は破損や倒壊による事故リスクも高まります。

実際この空き家問題の深刻度は、平成25年の住宅・土地統計調査によれば全国では住宅総数6063万戸に対して、13.5%の820万戸もの物件が空き家となってしまっています。また平成20年の調査に比較して、空き家の個数は63万戸も増加しています。

なお空き家の問題は地方のことだけだと思っている人もいますが、そのようなことはありません。同調査によれば東京都の空き家率も10.9%と決して低い数字ではありません。また東京都以外に神奈川県(10.6%)・千葉県(11.9%)・埼玉県(10.6%)と首都圏全体で空き家率は高めです。
東京であれば土地の需要が大きいので、空き家は生まれなさそうなものですが、意外とそうでもありません。まず子供が継ぐかどうかですが、親と同居している場合を除けば、既に自分の住宅を所有している場合もあります。売却をしようにも、立地や住宅の造りでそれが難しいことがありますし、相続で揉めている場合も売却ができないことがあります。マクロ的な要因として、東京の場合特に集合住宅含めて住宅の供給数が多いため、空き家が発生しやすいという問題もあるでしょう。
(近年東京都の多くの地域の傾向として、土地価格は上昇していますが一般住宅向けの賃貸家賃は下落傾向にあります。)

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出典:総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約」

自宅不動産の相続は時間をかけた対策を

こうした空き家問題をはじめとした自宅不動産に関する対策は、被相続人が元気なうちから対策をすることが大切です。そもそも自宅不動産の相続は分割や換金が行いづらいことから、相続争いなどの問題の火種になりやすいという性質があります。自宅などの不動産はあるものの現預金などの分割しやすい財産が少なく、相続人が複数いる場合どうやって財産を分けたら良いのかが問題になります。
また自宅の価値が大きく相続税の対象となる場合、納税資金の問題も発生します。納税資金を確保するために自宅を売却するか、あるいは物納の手続きを進めなければなりません。

片付けのポイント

特に年末年始は家族で集まり、相談や今後の計画立てを行いやすいシーズンです。あまり暗いことは考えたくないかもしれませんが、いつかは来ることと覚悟を決めて時間のあるときに余裕を持って準備を進めた方が良いでしょう。余裕のあるうちにお互いの意思を知っておくことで、考える時間も十分に取れやすくなります。

そして、そうした意味でお勧めなのが実家の片付け、整理整頓を進めることなのです。いくら重要と言って自宅の相続に関しては考えるべき点も多く気分も重くなりがちなので、多くの方はなかなか行動に移れません。そこで取り組みやすい片付けから始めると良いでしょう。まずは実家に置きっぱなしになっている自分の私物の整理から始めると特に取り組みやすいです。

相続の準備と言えばご家族も身構えてしまいますが、片付けであれば自然に取り組めます。その過程で貴重品の整理など相続に関係が深い事柄も進めやすくなります。
(相続発生時に特に多い問題が、預金通帳や保険などの重要書類の片付け場所がわからず、財産の把握も進まないという問題です。また場合によってはせっかく遺言を遺してあるのに、家族がそれに気づかないという事態も生じ得ます。)

年始の気持ちがすっきりとしたタイミングで、こうしたことに取り組まれてみてはいかがでしょうか。

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