解説!!SUUMOの「今後、地価が値上がりしそうと思う街ランキング 関東版2016」


リクルートが運営する大手不動産サイトのSUUMOでは、毎年調査会社の株式会社マクロミルと協力して「住みたい街ランキング」を発表しています。この調査は関東版と関西版に分かれていますが、関東版の調査では東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県在住の20歳~49歳の男女数千人(2016年調査では3996人)への調査を行って導き出しているので、相応の信頼の置ける調査と言えるでしょう。
この調査の中では、住みたい街のランキングだけではなく、「穴場だと思う街」や「これから人気が出そうだと思う郊外の街」など興味深いランキングも作成されています。そしてその中には「今後、地価が値上がりしそうと思う街」というランキングもあります。
今回は、ランキング上位の街の傾向や、それぞれの街で今起きていることなどを見ていきましょう。

ランキング結果と全体の傾向

まず、どのようなランキング結果になっているのかと、全体の傾向を見ていきましょう。なお、街は駅ごとに分類されています。

「今後、地価が値上がりしそうと思う街」ランキング(SUUMO)
第1位 武蔵小杉 (東急東横線、JR南武線、JR湘南新宿ラインなど)
第2位 豊洲 (東京メトロ有楽町線、ゆりかもめ)
第3位 品川 (JR山手線、東海道新幹線、京急本線など)
第4位 立川 (JR中央線、JR南武線など)
第5位 海老名 (小田急小田原線、JR相模線など)
第6位 田町 (JR山手線など)
第7位 渋谷 (JR山手線、東急田園都市線、東京メトロ半蔵門線など)
第8位 橋本 (JR横浜線、京王相模原線など)
第9位 東京 (JR山手線など)
第10位 北千住 (JR常磐線、東京メトロ千代田線など)

全体的な傾向として言えるのは、上記の街の多くが再開発エリアとなっているということです。1位の武蔵小杉は近年「ムサコ」と呼ばれる人気エリアで駅前のタワーマンションの建設などが進んでいますし、2位の豊洲では2016年12月に三井不動産株式会社による豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業の起工式が執り行われました。7位の渋谷は東急グループによる2020年から2027年にかけて高層ビル群の建設などの大型リニューアルが予定されています。他にも5位の海老名では駅に西口で大規模な街のリニューアルが行われていますし、田町も山手線の新駅が隣に建設予定です。また8位の橋本などは、2027年に開通するリニア中央新幹線の停車駅となることが予定されています。

それぞれの街で起きていること

それでは個別にそれぞれの街で起きていることなどをより詳細に見ていきましょう。

第1位 武蔵小杉

武蔵小杉はここ数年「住みたい街ランキング」で毎年トップ10圏内に入っており、2016年のランキングにおいても自由が丘と同率の4位に来ています。街としての人気の秘密は、東急東横線や東急目黒線、JR南武線や湘南新宿ラインなど多くの路線に乗り入れ可能な交通アクセスの良さに加えて、住環境の良さと言えるでしょう。
もともと武蔵小杉はJR南武線沿いに多くある電気系メーカーの工業地として発展してきました。現在もNECの子会社やキャノンの事業所などが存在します。しかし1990年代の後半にかけて工場の閉鎖が相次ぎ、空き地が目立つようになります。そうした空き地に自治体(神奈川県川崎市)が中心となって街づくりを行い、タワーマンションや商業施設が目立つようになってきました。この開発計画は現在も継続中であり、さらなる発展が期待出来るでしょう。

第2位 豊洲

お台場の近くにある江東区の豊洲はもともとIHIなどをはじめとした大企業の工場地が多くを占めていましたが、現在では区画整理・大規模再開発の結果、いくつものタワーマンションやアーバンドックららぽーと豊洲(以下「ららぽーと豊洲」)のようなショッピングモールが目立つ街となりました。2000年代半ば頃までは空き地も多く海風が強い地域だっただけに、久々に訪れた人は様変わりの様相に驚きを隠せないという場合も多いそうです。
現在も開発計画は続いており、2016年12月に三井不動産株式会社がオフィス機能を中心としたミクストユースの大規模再開発で、建物の延床面積は約18.4万m2(来年着工予定のB棟と併せて約25.9万m2)と、都内湾岸エリアにおける新たなランドマークとなる、豊洲エリア最大規模のプロジェクトとなります。

また、隣接するららぽーと豊洲を拡大する商業ゾーンや、直営するホテルゾーンを設けるほか、三井不動産としても日本橋エリアに次いで2番目となる規模の開発になります。

またこのエリアの再開発ではBCP(事業継続性)の観点を重視し、「電気」と「熱」の供給を行うエネルギーセンターの設置が予定されています。

第3位 品川 第6位田町

現在都内では、2020年に開催が決まっている東京五輪に、行けて各地で大規模な開発が行われていますが、その中でも最も大規模な開発が品川エリアで行なわれている開発と言えるでしょう。
この一連の開発には東京都も非常に力を入れており、都が策定した「品川駅・田町駅周辺 まちづくりガイドライン2014」は108ページというボリュームです。このように東京都が力を入れているということも注目が集まる背景と言えるでしょう。

具体的な開発の内容ですが、この品川エリアの開発の中でも最大の目玉が品川駅-田町駅間に作られる新駅の開発です。現在、品川駅と田町駅の間には広大な品川車両基地がありますが、その敷地を見直すことで約13haものエリアが開発され、その中に新駅も誕生予定です。品川駅と田町駅の間の新駅は2020年には開通予定ですが、それ以降も一帯の開発は進み、2027年に向けてオフィスビルや商業施設、マンションなどが建設されていく予定です。

第4位 立川

すでに2016年8月4日に街開きを迎えましたが、立川再開発の目玉は立川駅北口西地区に建設された立川駅に直結する32階建ての再開発ビル「立川タクロス」の建設と言えるでしょう。
130mもの高さを誇る立川タタロスは駅北口のデッキと接続し、9~32階が分譲マンションの「プラウドタワー立川」(総戸数319戸)となっていますが、地上階付近には公共の自転車駐輪場と行政窓口サービス機能を整備、また3~7階がヤマダ電機の店舗が入ると言った複合施設となっています。マンション部分は販売価格が5248万円~1億6598万円と比較的高額にも関わらず、早期に完売しており立川駅周辺の勢いを示す例になったと言えるでしょう。

なお駅北口から徒歩数分の場所には新たな商業施設の開発計画もあり、他にも立川駅周辺でホテルやシティーホールなどの開発計画が検討されています。

第5位 海老名

海老名駅近辺の開発の主役は海老名駅を要する小田急電鉄株式会社によって進められています。その目玉は小田急線海老名駅とJR相模線海老名駅の間に広がる広大な事業用地の再開発です。このエリアはもともと無人のエリアでしたが、マンションや商業施設を建設し、2500名ほどの人口を擁する新しい町(名称はめぐみ町)となる予定です。

もともと海老名駅周辺は、田急線海老名駅とJR相模線に加えて相鉄本線も乗り入れるターミナル駅であり、その他にも圏央道が開通するなど交通利便性が高いエリアと言えます。そうした中で進んでいる開発計画に期待が集まっていると言えるでしょう。

第7位 渋谷

渋谷駅では今数十年に1度というほどの規模の再開発が、東急電鉄とJR東日本、東京メトロの3社主導で進められています。もともと開発計画は2005年にスタートし、すでに2012年から渋谷ヒカリエが開業を始めていますが、この他に2027年に向けてさらに渋谷駅西棟・東棟・中央棟の3棟もの大型高層ビルの建設が進む予定なのです。

またその他にも、東急東横線の渋谷駅-代官山駅間の約1.4kmもの区間の地下化が行われたことで、地上の広大な線路跡地の開発が可能になりました。このエリアにも商業施設やマンション、オフィスビルなどの建設が予定されており、渋谷駅近辺の利用人口の増加が見込まれています。

第8位 橋本

2027年の開通に向けてリニア中央新幹線の開通が進み始めていますが、現在停車駅に選ばれた駅周辺のエリアでは様々な開発計画に湧いています。神奈川県内における停車駅に選ばれたJR横浜線橋本駅近辺でも開発や地価の値上がりが期待されているのです。

第9位 東京

現在東京駅周辺では2000年代に丸の内で行われだした再開発の波が大手町や八重洲、そして東京駅北側の常盤橋エリアへと広がっています。例えば八重洲地区では三井不動産や東京建物などが中心となってオフィスや商業施設などが入る複合ビルの建設に着手していますし、現在地上に点在してしまっているバスターミナルを地下に集約し、交通の利便性を高める計画も進んでいます。
また東京駅日本橋口前の常盤橋街区では、三菱地所が3.1haもの再開発を予定しており、高さ390mの超高層複合ビルを含む4つの棟など大規模施設の建設が予定されています。

バスターミナルなど交通インフラ関係は2020年の東京五輪前に整備が進む予定ですが、高層ビルなどの建設は2027年に向けて開発が進んで行く予定であり、今後継続的なエリアの成長が期待できると言えるでしょう。

第10位 北千住

北千住駅は東京メトロ日比谷線・千代田線、東武スカイツリーライン、JR常磐線、つくばエクスプレスが乗り入れるターミナル駅です。大手町駅であれば乗車時間は20分かからず、東京駅近辺への通勤利便性という意味ではポテンシャルの高いエリアと言えるでしょう。
そんな北千住駅近辺でも大規模な開発が進んでおり、駅近くの東京都足立区千住1丁目に地上30階、地下1階、高さ110m、総戸数180戸の超高層マンションが建設されます(2020年完成予定)。
北千住駅近辺は今でも商店街や飲食店が発展していると言われており、新マンションの建設によって北千住駅の乗り入れ乗客数の増加が進めば、さらなる地域の活性化が進むかもしれません。

以上SUUMOの2016年の値上がり予想ランキングで注目されているエリアの開発計画などをお伝えしました。2020年の東京五輪開催や、2027年のリニア中央新幹線開通に合わせて様々な開発が進んでいると言えるでしょう。
もちろんこうしたエリアの不動産であればすべからく値上がりするということはないでしょうが、開発計画の概要や今後の動向を理解しておくことは実際に投資判断などの際に役に立つと思います。

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