毎朝のバター珈琲で痩せた上にIQアップ?〜シリコンバレー式最強の食事(前編)〜


健康維持の観点でも見た目の体型の改善という観点でもダイエットは多くの人の関心を集めています。しかし、ダイエットのために過度に食事制限などをしてしまうと集中力を欠いてしまい、仕事などの妨げになってしまうので思うようにダイエットを進められないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介したいのが、2015年に発売されベストセラーとなった「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」という本で紹介されていたバターコーヒーダイエットです。

著者のデイヴ・アスプリー氏はシリコンバレーで成功を収めたIT起業家かつ投資家ですが、仕事の忙しさなどから不摂生がたたり、一時期は140kgを超える肥満に悩まされました。肥満によって健康や外見の問題だけでなく、極端に太ってしまってから集中力を欠くようになってしまい仕事に集中できなくなってきたと感じていたといいます。
そうした問題意識の結果、著書によれば30万ドル以上もの予算をかけてダイエットや食事による集中力の改善などに対して研究を重ね、減量とIQの向上(20ポイントUP)に成功しました。そうした家庭で生み出したアプローチは、現在アメリカで多くの注目を集めており、日本でも徐々に取り組んでいる人が増えています。

今回この本の内容を前編と後編の2回に分けてお届けし、前編ではこの本でアスプリー氏のダイエットに関する考え方やセオリーを、後編では実際のダイエット法として、バターコーヒーダイエットについてお伝えします。

本のベースにある哲学とセオリー

まずは著書の中でアスプリー氏が提唱している哲学や、紹介されている研究について見てきましょう。

著者のアスプリー氏は、もともとインターネットを中心としたITのエンジニアです。そのためインターネットを始めとしたネットワークのハック(改良)の哲学をダイエットに応用し、それを「バイオハック」と呼んでいます。
そもそもネットワーキングエンジニアリングの特徴は、全体把握が困難なことにあると言います。特にインターネットが対象であれば、可能な人は誰もいません。そのためシステムやネットワークの問題を解決するために、全体を理解し問題点を特定し改善を図るという手法には限界があるのです。そこで、システム全体を丹念に調べつつ、乗っ取り・改良を行えそうな穴(ポイント)を探し、そこからのPDCAサイクルを回すことで改善を図っていきます。

そして人体もインターネット同様、あるいはそれ以上にまだまだ不明な点が多い複雑なシステムです。そこでアスプリー氏は、丹念にその成り立ちや仕組みを調べつつ、以下で紹介するような改良を加えられそうなポイント(ダイエットや脳の集中力に影響を与えるポイント)を見つけ、そのポイントに対して試行錯誤をしながら改善を試みてきたのです。

炎症の抑制

アスプリー氏がまず注目するようになったのは、免疫系が持つ炎症作用でした。
炎症とは人体組織が、例えば異物(細菌やウイルス・毒物など)の侵入などによって傷ついた際に、その部位が発赤や熱感、疼痛などを伴って膨張する作用です。炎症が起こることによって患部が修復されたり、異物が排除・無害化されたりします。しかし過剰な炎症や炎症の慢性化が起きる、新たな病気につながってしまいます。
(今の時期、日本人を悩ませる花粉症も花粉アレルギーに端を発する目や鼻の粘膜の炎症です。)

実はこの炎症は脳の働きとも関連が深く、まず人体に炎症箇所があると脳の働き(=集中力や意志力)が乱れます。傷が炎症して痛痒い時や、花粉症などの際に集中力を失ってしまう人は多いので経験的にも納得しやすいことでしょう。ただ皮膚や鼻などの炎症は自覚しやすいですが、胃や腸などの炎症は自覚しづらくなります。そして胃腸の炎症を誘発しやすい食品や添加物などもあるので、そうしたものの摂取は避けなければなりません。

また身体だけではなく脳そのものが炎症を起こすこともあり、そうした脳の炎症が集中力や意志力の乱れに繋がるとされています。例えば「慢性疲労症候群」という鬱に近い、あるいはその原因とも言われる無気力症状があるのですが、慢性疲労症候群の患者は、脳内の広い範囲で炎症を起こしていることが、理化学研究所や大阪市立大学などの研究チームによって解明されました。

実は肥満の原因となるような食品は、同時に脳や身体の炎症をもたらす原因物質となることも多く、太っていると集中力が乱れてしまう理由の1つでもあります。

腸内フローラの改善

近年、欧米の西洋的な人体観に大きな変化が生じていると言われており、それが腸内フローラと呼ばれる概念の広がりです。

人体は60兆個の細胞で構成されていると言われていますが、同時に何十兆、何百兆個もの微生物や細菌が暮らしている群体でもあります。これまでの西洋的な発想では、人体を見るときは直接構成している60兆個の細胞にのみ焦点を当ててきました。
しかし、近年の研究では人間の体調や様々な病気、太る痩せる、集中力を発揮できるできないと言ったことに、群生している微生物や細菌との相互作用が大きな影響を与えることが分かってきたのです。特に腸内に群生している細菌が人体に与える影響が大きいと言われており、こうした腸内細菌の環境を腸内フローラと呼びます。
(フローラは草むらなどの意味であり、腸内に生息している微生物や細菌たちが腸内壁に草が茂っているように群生していることからそう呼ばれています。)

腸内フローラに働きかける方法は大きく2つあると言われており、1つがプロバイオティクスと呼ばれ、直接人体に良い作用をもたらす善玉細菌を摂取する方法です。なお細菌の摂取方法ですが、何と健康な人や痩せている人の糞便を肛門から抽出し、それを肛門から注入するという糞便移植法が最もメジャーな方法です。アメリカでは50以上もの病院でそうした治療が可能になっており、日本でも順天堂大学医学部消化器内科や慶應大学病院、また千葉大学医学部付属病院などで研究や治療法の実施が行われています。
もう1つの方法はプレバイオテックと呼ばれ、これは特定の腸内細菌が活性化・増殖するような栄養素を摂取することです。例えばコーヒーに含まれるポリフェノールは、人体を痩せさせる作用を持つ腸内細菌の増殖に貢献するということが研究の結果わかってきました。後者のプレバイオテックの活用は「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」でも積極的に提唱されています。

こうしたポイントに働きかけるための方法として、アスプリー氏は朝食をバター珈琲に切り替えるダイエット方法を提唱しているのですが、バター珈琲の作り方や、どのような作用で原料や脳の働きに効果があるとされているのかを後編の記事でお届けします。

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