Forbesの世界長者番付2017年のまとめとTOP10


アメリアの経済史Forbesは、1987年から毎年資産10億ドル以上の人物(もしくは一族)を世界長者番付(英:The World’s Billionaires)として発表しています。2017年3月20日、フォーブス番付の2017年版が発表されました。

以前、日本国内で発表されていた高額納税者番付のように、公的機関による税務申告などを基にしているわけではなく、番付に掲載されている内容はあくまでのForbesの推計値になります。そのため、個人や一族での所有資産にフォーカスを当てているため、公開情報からは分からない、財団や社団、ファンドなどの形で厳密には所有資産では無いけれども莫大な管理資産を有しているような人物や一族は番付の中に現れません。
それでも、現在の世界経済や富裕層の動向を通常とは異なった視点から眺められる興味深い資料と言えるでしょう。

今回の記事では、世界長者番付2017の概要と番付上位のビリオネアについての概要をお届けします。

2016との比較

まずは番付全体の傾向を昨年との比較で見ていきましょう。2017年の調査で資産が10億ドルを超えたビリオネアの人数は、2016年の1810人から13%も増加し、2043人となりました。1987年の番付開始以降、初の2000人超えです。

今回の番付では初登場の人物が195人いましたが、そのうち76人は中国人で、2番目は米国人の25人です。中国を中心としたアジア圏の経済発展が番付の動向や人数の拡大に寄与した余地は大きいと言えるでしょう。
なお初登場の195人の中には15人の女性起業家が含まれているのですが、彼女らのうち14人がアジア太平洋地域出身です。なお日本からも人材派遣会社テンプスタッフの創業者、篠原欣子名誉会長がこの中に含まれており、日本人の女性起業家としては初の番付入りとなりました。

またビリオネアの排出国ですが、最多は今年も米国での5652人で昨年の540人から増加しています。また2位も昨年と同じく中国本土で319人、3位はドイツの114人です。ちなみに日本からは33人がランク入りしました。
日本人の1位は世界順位34位のソフトバンク孫正義氏で資産額212億ドル、2位は世界順位60位のファーストリテイリング柳井正氏です。
ドナルド・トランプ米大統領は544位で資産額35億ドルとなっています。

世界の番付TOP10

次に今回の番付における世界のTOP10を見ていきましょう。

1位:ビル・ゲイツ/860億ドル(米国/マイクロソフト)
2位:ウォーレン・バフェット/756億ドル(米国/バークシャー・ハサウェイ)
3位:ジェフ・ベゾス/728億ドル(米国/アマゾン・ドットコム)
4位:アマンシオ・オルテガ/713億ドル(スペイン/ザラ)
5位:マーク・ザッカーバーグ/560億ドル(米国/フェイスブック)
6位:カルロス・スリム・ヘル/545億ドル(メキシコ/通信事業)
7位:ラリー・エリソン/522億ドル(米国/ソフトウエア事業)
8位:チャールズ・コック/483億ドル(米国/複合事業)
8位:デービッド・コック/483億ドル(米国/複合事業)
10位:マイケル・ブルームバーグ/475億ドル(米国/ブルームバーグ)

出典:世界長者番付2017、ビリオネア数は史上最多に(Forbes)

1位は昨年と同じくマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏で18回目の1位となりました。1987年の番付開始以来、全31回の中で18回の1位ですので圧倒的です。
ちなみに今となっては隔世の感がありますが、1987年から1994年までの番付けの1位は日本人の堤義明氏(西武グループオーナー)か森泰吉郎氏(森グループ創業者)でした。
なおその期間以外は、2008年のウォーレンバフェット氏1位と、2010年から2013年までのカルロス・スリム氏1位以外は、全ての期間でビル・ゲイツ氏が1位を独占しています。

番付のTOP10を眺めるとほとんどが米国の起業家であり、アメリカ経済力とイノベーションの力強さを感じさせます。特に3位のアマゾンドットコム創業者ジェフ・ベゾス氏や5位のフェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグ氏は資産の増加スピードも凄まじく、よりその印象を強めていると言えるでしょう。
番付内での順位の変動はありますが、10人全員が昨年よりも資産を増やしています。資産の大半は起業家の持株の評価額になりますので、2016年11月のトランプ新大統領当選確定以降の株高の影響が寄与していると言えるでしょう。

日本の番付TOP10

続いて日本人で番付入りした方々のTOP10を見ていきます。

34位:孫 正義/212億ドル(ソフトバンク)
60位:柳井 正/159億ドル(ファーストリテイリング)
102位:滝崎武光/123億ドル(キーエンス)
250位:三木谷浩史/58億ドル(楽天)
385位:森 章/44億ドル(森トラスト)
414位:高原慶一朗/42億ドル(ユニ・チャーム)
522位:伊藤雅俊/36億ドル(セブン&アイ・ホールディングス)
522位:三木正浩/36億ドル(ABCマート)
522位:永守重信/36億ドル(日本電産)
564位:韓昌祐/34億ドル(マルハン)

出典:世界長者番付2017、ビリオネア数は史上最多に(Forbes)

1位のソフトバンク創業者の孫正義氏と、2位のファーストリテイリングオーナーの柳井正の2トップは、ここ最近の定番と言っても良いでしょう。それ以降もキーエンス創業者の滝崎武光氏や楽天創業者の三木谷浩史などが続き、世界の番付と同様に創業起業家の力強さを感じさせます。
2世3世の後継者の場合、相続税や遺産分割時による影響で、個人あたりの財産規模が小さくなりがちですが、そうしたことの影響も大きいのかもしれません。

Forbesは世界長者番付以外にも興味深いランキングを多数発表していますので、今後それらもお伝えしていければと思います。


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