民泊ビジネスの新トレンド?ビジネス利用客の集客を考える


近年、不動産市場では民泊ビジネスへの注目が集まっていますが、民泊のトレンドにまた少し変化が生じようとしています。これまでは主に旅行客を対象としていた民泊サービスですが、民泊の大手仲介が、旅行客以外にビジネスマンの出張需要などを取り込む動きが出始めてきています。

そのトレンドがどのようなものなのか、見ていきましょう。

訪日外国人数の増加のインパクト

今日の世界的な民泊の興隆は大手民泊サイト、Airbnb(エビーアンドビー)の発展によるところが大きいです。ITの発展によって20世紀にはできなかったようなシェアビジネスが可能となり、また中国などアジア諸国の経済成長によって世界的に旅行客数が増加したという背景もあって、旅行客用に空室や空住居をシェアする民泊サイトAirbnbは大きく成長しました。
2008年に設立された同社は、2016年9月に企業価値300億ドルで8.5兆ドルの調達を成功させるなど、その成長スピードは驚異的と言えるでしょう。

そして日本でも、近年の円安傾向や経済発展している中国・東南アジアから距離的に近いということもあって訪日外国人数が大きく増加し、宿泊施設の不足から民泊が大いに盛り上がっています。
例えば2016 年の訪日外客数は約2403万人となりましたが、これは前年比で21.8%も増加しており、1964 年の統計開始以来最高の人数です。
ちなみに2016年は米国や中国、その他ヨーロッパ各国や東南アジア諸国などの主要20市場のうち、ロシアを除く19カ国からの訪日客数が過去最高となりました。中でも中国人訪日客数は多く、前年比 27.6%増の 637 万人と全体の4分の1以上を占めています。また韓国からが約509万人、台湾からが約416万人とここに香港を加えた東アジア市場だけで1700万人を超えました。

このように訪日外国人数が伸びている理由として、上記のような国々の経済発展も大きな理由でしょうが、その他に2012年末以降の円安傾向や政府が外国人旅行者を増やすよう積極施策をしていることも大きな要因と言えます。
2012年末以降、それまでの1ドル80円ほどだった為替は、禁煙は1ドル110円~120円の間で推移しており、外国人の日本円市場に対する購買力は約1.5倍に高まりました。また格安航空会社の台頭と普及、それに原油安による燃油サーチャージの低下などが重なったことも大きいでしょう。2012年の訪日外国人数は約836万人だったのです。

不足する宿泊施設と民泊の興隆

ここ3年ほどで急激に訪日外国人数が増加したこともあり、ホテル業界・旅行業界などは賑わったわけですが、宿泊施設の不足という問題も発生してしまいます。特に東京都は2017年2月の宿泊施設の稼働率が80%を超えており、ビジネスホテルに至っては86.7%という非常に高い数値をつけています。

こうした宿泊施設の不足を補うように、また不動産の良い運用先やビジネスマンの良い副業になるという思惑もあって、Airbnbなどを活用して民泊を提供する人が増加しました。
民泊専門メディアのAirstairによれば、2016年11月日本のアクティブな民泊物件数は過去最高の40,000件を突破しており、さらに2017年10月には60,000件を突破するという予測されています。2016年は2015年に比べて東京の民泊物件数が2倍に増加しているので、こうした予測は的外れとは言えなでしょう。

民泊の実施要件を緩和する住宅宿泊事業法案が提出間近であることも、民泊業界全体に追い風と言えます。

ビジネス客へ狙いがシフト

しかし上記のようにAirbnbや民泊は盛り上がっているように見えて、現在は競争も厳しくなってきています。実際にAirbnbにはアクティブで40000万件、掲載で50000件もの物件がありますが、平均貸出回数は2016年には2015年の101泊から12泊減って89泊となりました。

こうしたことから民泊プレイヤーの中では、幅広い顧客を囲って需要を広げていこうという動きが出始めています。そうした流れの中で注目され出しているのがビジネス客の需要です。
先ほどにも都内のビジネスホテルの稼働率が86%を超えているとお伝えしましたが、急な出張の際に宿泊場所を用意することが日毎に難しくなってきています。

そうした状況に目をつけ、岩手県仙台市に本社のある日本発の民泊サービスSTAY JAPANを手がける百戦錬磨は、企業向けの各種サービス代行を行うベネフィット・ワンと提携し、その会員向けに割安で民泊が予約できるサービスを2017年5月にも開始する予定でいます。
百戦錬磨では相手がビジネス客ということもあって、物件は年間営業日数などの点で合法となるようにきちんと管理されたものに限定しており、ホテルが不足する東京や大阪などのマンションの一室などを利用する予定でいます。
このサービスは借り手が法人となることから身元も確かなため、貸し手側にとっても安心できる良いビジネスと言えるでしょう。ビジネス客がターゲットとなることから、貸出物件ではwi-fi環境などにも気を配る予定のようです。

百戦錬磨の他にも、民泊のメインプレイヤーAirbnbもビジネスマン向けの利用を促し始めており、今後民泊に参入しようというプレイヤーにとって、見逃せない動きと言えるでしょう。


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