2018年の世界経済・政治情勢の予測のまとめ


以前の記事にて、2018年の新年号として各種雑誌などで行われている2018年の日本経済・政治社会情勢の予測記事のまとめをお届けしました。
現在の日本経済は輸出や海外投資家の動向など、世界経済の影響を受ける度合いが大きく、日本の国内要因だけというよりも世界経済の動向如何で好況・不況が変わります。

そこで今回の記事では、三菱総合研究所の「2017、2018 年度の内外景気見通し」、みずほ総合研究所の「2017、2018 年度の内外景気見通し」、三井物産戦略研究所の「「2017年の回顧と2018年の世界情勢展望」」などを参考に、2018年の世界経済の動向予測をお届けします。

2018年の世界経済への展望は基本的に明るい

どこのレポートでも共通していることが、2018年の世界経済の見通しは明るく、全体的に回復傾向にあるという総括です。世界の実質GDPは2017年は前年比+3%程度の成長を続けており、特にポイントとなるのがその変動幅も少なくなって安定成長を続けていることです。状況としてはリーマンショック以前の大平穏期(Great Moderation)に近く、先進国と新興国の成長の差も少なくなってきています。
主要な国・地域の経済も安定しており、米国は雇用環境と消費がともに良好で、ユーロ圏も消費を中心に回復が続いています。中国は若干の減速傾向にあるものの、インフラ投資や輸出回復に牽引され順調に推移しています。

ただしリスク要因も存在し、特に注目を集めているのは北朝鮮をめぐる地政学的リスクです。今後さらに情勢が緊迫し、軍事衝突や在韓米国人の国外退避のような事態に発展すれば、株価の下落などに繋がりかねません。
その場合、特に日本をはじめとした東アジアで大きな影響が出るとされています。

主要な国と地域の展望

主要な国と地域の展望について、より詳細に見ていきましょう。

米国経済

米国経済は2017年は設備投資と個人消費が堅調で順調に回復していきました。ただその好調はハリケーンの被害に対する復興需要の側面も存在し、一部には先行きでの反転を予測する声も存在します。しかしその一方で企業収益や雇用が順調なことから、経済はある程度の堅調さを保つという声も多くあります。
IMFなどでは2018年の米国の経済成長率を2.3%前後と予測しています。

2018年の米国経済に関して、特に多くの人が注目しているのがFRBのパウエル新議長体制がどのような金融政策を実行していくのかということになります。
利上げと共に2017年10月から開始したFRBの保有資産の圧縮を継続することが予想されており、年3回程度の慎重なペースでの利上げを継続する見通しです。トランプ大統領の税制改正(法人税減税など)が上手くいき、景気が想定を超えて良くなれば、年4回の利上げも可能性が出てきます。

米国経済のリスク要因としては、株価に対する割高感が高まっており、その調整が起こる可能性があることです。2016年半ば以降世界的な株価の上昇が起きていますが、これは世界経済の回復にみあったものとされています。しかし米国に関しては、やや割高水準にあるという向きもあり、実際に調整が行われた場合は一時的に経済の下振れを誘発し、日本にも大きな影響を与えるかもしれません。
また上記のFRBパウエル新議長の下、FRB のバランスシート縮小=金融政策の引き締めが行われれば、金融緩和による豊富な資金を背景に行われていた先進国から新興国への投資がストップ、あるいは資金の回収に向かう可能性も存在します。その場合、経済基盤が脆弱な国にとっては大きなリスク要因になるでしょう。

ユーロ(欧州)経済

欧州経済も2017年は雇用環境が改善し、その結果個人消費も堅調に推移したため順調でした。世界経済の堅調を背景とした輸出増加の影響も大きかったです。実質GDP成長率は2%に達しました。
現在も設備稼働率が高く、かつ設備投資も堅調に続いているため、2018年もこの傾向は続くことが予想されています。

ただ個別の国々を見ていくと、リスク要因がないわけではありません。例えば英国は現在経済動向がやや軟調となっており、Brexitに伴う先行き不透明感から企業が投資を慎重化させていることが背景にあります。Brexitをめぐる混乱が悪化した場合、この傾向はさらに強まるでしょう。
また2016年〜2017年に行われた各国の選挙で、ポピュリズムの台頭がキーワードになりました。これまでの政治情勢では大きく議席を伸ばすことはなかった右派政党が台頭としており、政治情勢の混乱が経済情勢の混乱に繋がる可能性が危ぶまれています。例えばドイツでは総選挙後の連立協議が難航しており、再選挙の可能性を排除しきれません。また、スペインカタルーニャでは住民がスペインからの独立を希望する住民投票を実施し、中央政府が州政府の自治権を停止するなど混乱が生じています。

アジア・中国経済圏

中国経済も2017年は世界経済の堅調を背景とした輸出増加によって、順調に推移してきました。その経済成長率は6.8%と高く、2018年も6.5%程度と若干の減速をしつつも安定成長を続ける公算です。習近平政権は経済重視の政権運営を続けており、2020年までにGDPと国民1人あたりの所得を2010年の倍にする目標も達成可能とされています。

またASEAN各国でも需要が拡大し、緩やかな持ち直しが続くとの予想が大勢です。しかし米国の金融政策如何では、新興国全体が停滞する可能性もゼロではありません。またインドは失業率が上昇しており、消費主導の回復に減速傾向が見られます。

以上2018年の世界経済に対する予測のまとめをお届けしました。


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