日本経済の2018年の重要テーマ


以前の記事にて、2018年の日本経済の全体の動向に関する予測のまとめをお届けしました。
今回の記事では、VRやAIスピーカーなど2018年以降の日本で重要なトレンドになるかもしれないいくつかのテーマに関する各誌の予想のまとめをお届けします。

VRは普及するのか?

1990年代後半〜2000年前半にかけてのパソコンとインターネットの普及や、2010年代のスマートフォンの普及など、革新的な技術による新商品・サービス登場は、その商品・サービスに限定されず幅広い影響を与えます。例えばインターネットの普及によってECやSNSが一般化したり、スマートフォンの普及によってソーシャルゲームなどが普及したりしたように、デバイスを通じて新たな産業が生まれていきます。そして現在、そのような大きなインパクトをもたらすかもしれない存在として、VR(AR)やAIスピーカーが期待されています。

VRはVirtual Realityの略称であり、仮想現実という意味になります。ディスプレイが埋め込まれたヘッドギアを装着することで、あたかもその場に実際にいるような映像体験を得ることが可能です。

しかしVRは期待されていたほど2017年は普及が進みませんでした。アトラクション施設などで目玉コンテンツとして導入される例などは多くありましたが、個人販売は伸びていません。最も販売数の多いソニーのPSVRで、世界販売台数は200万台程度です。
課題はユーザーが負担する初期コストの高さと言えるでしょう。自宅で利用するためには5万円前後のVR機器代に加えて、PS4のような高価格のゲーム機本体や高性能PCなどが必要です。合計して10万円〜20万円程度は必要であり、キラーコンテンツも特にない現状、普及は時間が掛かるかもしれません。

ただ本体価格は値下げ傾向にあり、PCや別のゲーム機などを必要としない一体型の開発・販売も進んできています。あとは多くのユーザーを惹きつけるキラーコンテンツが生まれるかどうかが今後普及が進むかどうかのポイントと言えるでしょう。

AIスピーカーの可能性

AIスピーカーは音声操作によって、インターネットへのアクセスや、ネットワークで接続された家電を操作できるスピーカーです。米Google社によるものや、米Amazon社によるものが世界的には最も有名です。国内メーカーもこの機を逃してはいけないと、開発・販売に力を入れるようになりました。

ただAIスピーカーに関してもVRと同様にキラーコンテンツが生まれるかどうかがポイントになります。また現在のところでは収益性のあるサービスがまだ生まれておらず、その点が今後の普及の課題となっています。

EV(電気自動車)シフトはどこまで進むか?

自動車は日本経済の背骨と言っても良いほどの重要産業であり、自動車業界が今後どうなっていくのかは日本全体にとってとても重要な問題です。そのため2017年に中国や欧州で発表されたEVシフト(段階的なガゾリン自動車の廃止目標)の動きに注目が集まっています。

しかし現在、実際のところではまだEVシフトは現実的な動きとしては進んでいません。EV業界の雄と言われているテスラモーターの生産が追いついてないということもありますが、根本的な問題はEVに搭載する電池問題です。現在は液化リチウムイオン電池を搭載するモデルが一般的ですが、充電時間が長く連続稼働距離も短いため、ガソリン自動車と同じようには利用できません。
2018年の動向もどこまで技術開発が進むのかに特に注目が集まっていると言えます。

ほかに自動車業界のホットトピックとしては、そもそも車を持たないライドシェアの発展も重要です。世界的にはUBERが席捲していますが、日本では規制の関係で広がりは見せていません。日本ではタイムズカーシェアプラスなどが有名ですが、15分単位から車のレンタルが可能なライドシェアが広がれば、都市部での車保有率は今以上に下がってしまうかもしれません。
トヨタやホンダ、日産などの大手自動車メーカーも、自社系列のライドシェアサービスを開始しています。

インバウンドは引き続き順調か?

また日本経済を今後支える柱の1つとして期待されている観光収入や観光客の買い物ですが、2018年も引き続き好調となる見通しです。2017年は通算で2500万人に達する見通しであり、2018年はそれ以上の訪日外国人数が予想されています。
特にLCC便が増加している関西国際空港を要する大阪などの関西圏で、その好影響が続いており、2018年同様の傾向が続くでしょう。

省人化技術の導入は進むか?

2017年は進化し続けるAIとロボットの存在によって今後人間の雇用がなくなるのではないかということがあちこちで議論されました。

しかし、今現在では社会的に大きな問題となっているのはむしろ人手不足です。特に介護や建設業界など、マンパワーが重要でニーズが多い業界の人手不足は深刻です。介護は社会の高齢化によって需要が激増しており、建設業界もオリンピックを始め都内各地の開発や中央リニア新幹線の開発など需要が大きく人手が足りていません。
一方で労働力の確保には苦戦しており、特に建築業界はひどく、2016年の技能労働者数は332万人とピーク時の1997年の約7割にまで減少中です。またその不足人数は2025年に向けてさらに37万人増える見込みとなっているのです。

このため大手建設会社の鹿島などは、無人運転のダンプカーなどの開発・導入などを進めています。ただこうした無人機などはまだコストや性能に課題が多く、人間の代わりとして大々的に活躍するとは言い難い状況で、今後の開発に期待が集まっています。

以上、国内経済の重要トピックのまとめをお届けしました。
もちろん様々な新トピックが出てくるでしょうが、事前にテーマを定めて定点観測するのも良いと思われます。


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