『インデックスナイト2018』参加レポート


こんにちは、相続tokyoの高橋です。
今回は先週の土曜(2018年7月7日)に開催された、投信ブロガーによる有志イベント、インデックス投資ナイト2018に参加してきましたので、そのレポートをお届けします。

Contents

インデックス投資ナイトとは?

インデックス投資ナイトとは、投資家による投資家のための手作りイベントをコンセプトに開催さる、その名の通りインデックス投資を主体としている投資ブロガーの方達によって運営されている人気イベントです。年に1回毎年7月頃に開催されており、チケットの予約が申し込み開始後数十分で埋まってしまうほどの人気イベントです。
今回は11年目第12回目の開催とのことで、とても盛り上がっていました。

当日プログラム

今回は三部構成で、次の3つの内容でした。

第一部 ブロガー対談 「米国株投資と国際分散投資、どっちがいいの?」

最近よく見る「米国株投資」(米国株に投資する方法)と、「国際分散投資」(世界中の国々に分散投資する方法)について、どちらがよいのか、それぞれを実践しているブロガーがバトルします!?
<登壇者>
・たぱぞう氏(米国株投資ブロガー)
・水瀬ケンイチ氏(インデックス投資ブロガー)
・田村正之氏(日本経済新聞社 編集委員兼紙面解説委員)
・進行役 イーノ・ジュンイチ氏

第二部 特別ゲスト登壇「金融庁になんでも聞いてみよう!」
金融機関を指導・監督する監督官庁である金融庁。つみたてNISAの普及をはじめ、私たちの資産運用とも政策を通じて関わっています。その金融庁に会場から質問できます。個人投資家が直接金融庁と対話できる貴重な機会です!なんでも聞いてみましょう。
<登壇者>
・今井利友氏(金融庁 総務企画局 政策課 総合政策室 金融税制調整官)
・進行役 ASK氏

第三部 有識者座談会「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」
インデックス投資家はどのような相場環境でもマーケットに居続けることができるようになるための必要なメンタリティとはどんなものだろうか?また、そのようなメンタリティを醸成するため、そのようなメンタリティに到達するために必要な仕組みやアイテムって何だろうか?
<登壇者>
・山崎元氏(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員・株式会社マイベンチマーク代表)
・竹川美奈子氏(LIFE MAP,LLC代表/ファイナンシャル・ジャーナリスト)
・ゆうき氏(投資ブロガー)
・某投資ブロガー(当日のお楽しみ)
・進行役 カン・チュンド氏(晋陽FPオフィス代表)

以下に各プログラムの書き起こしをレポートします。

第一部 ブロガー対談 「米国株投資と国際分散投資、どっちがいいの?」

インデックス投資ナイトは、基本的に国際分散投資をテーマとして開催されてきました。しかし、現在米国株式投資が盛り上がっており、そうした異なるやり方も国際分散投資と比較しながら学んでいこうというのが第一部の内容です。

そのため、イーノ・ジュンイチさんの司会のもと、「米国株投資」代表として米国株投資ブロガーのたぱぞうさん、「国際分散投資」代表としてインデックス投資ブロガーの水瀬ケンイチ氏が登壇され、司会のイーノさんの誘導のもと両者が意見を述べ合う形で進んでいきました。
主な話題は以下の通りです。

たぱぞうさんの米国株投資の概要

元々逆張り投資が好きだった、そして2000年代は日本株投資をしていたが、株の希釈化など日本企業の株主軽視の姿勢に疑問を感じ、2010年に米国株式投資を行うようになった。具体的には全米株式に広く投資するインデックスのVTIと、人に勧められてVTを楽天証券で運用している。
米国の経営者は日本よりもはるかに株主の視線を意識しており、株価対策に力を入れている。そのため、自社株買いなど収益還元や株価対策の施作も多い。事実として、(リーマンショックのような例外を除いて)S&Pはどの時代で切り取ってみても安定して上がり続けている。

新興国の株式も経済成長率の高さなどを背景に選ばれる人がいるが、新興国の市場は汚職や粉飾も多く、そうしたリスクがある。またインフレ率の高さなどもあって、経済成長率が実質的な資産価値の成長にトラッキングされない場合も多い。
またアリババやテンセントなど、新興国の大企業は米国に上場するので、米国のインデックスを買えば自動的に新興国の大企業(成長企業)にも投資をできることになる。

ただし、最近あまりに米国株が盛り上がっているので、逆張り投資家としては違和感も感じている。

水瀬さんの国際分散投資の概要

元々は日本の個別株に投資を行っていたが、銘柄研究をじっくりと行うスタイルだったのでその負担が大きかった。4半期に一度有報の時期には数週間に渡って週末が潰れることも多く、家族との時間を犠牲にし仕事にも支障が出るようになったのでこれはいかんとスタイルを見直すようになった。
そしてじーと市場にはりついていなくても良い投資スタイルを模索した結果、インデックスによる国際分散投資にいきついた。今は日本株、先進国株、新興国株を時価総額加重平均になるように持っている。
(具体的にはバンガードのVPをメインに、あとはインデックスで積立)

米国株・国際分散のそれぞれの良さについて

たぱぞうさん曰く。
逆張り投資家として米国株が気になり、実際に成果も出してきた。米国株投資の良いところは、株主を重視しており株価対策が盛ん。
また今後50年〜60年はヒスパニック系の流入などを背景に米国の人口は伸び続けるとされており、人口の増加が経済成長につながっていくと思う。
それに人口の増加は優秀な人材の増加にもつながるので、様々なイノベーションが生まれそれも経済の成長に寄与すると思う。
しかし、今あまりにみんなが米国株米国株と言っているのでムズムズしているのも事実ではある。

一方水瀬さんは、
長期的には米国の繁栄も株式の成長もあると思うが、一時的な調整はあると思う。株価対策にしても本来は企業の研究や設備投資などに使うべきお金を自社株買いで浪費しているかもしれない。米国は確かに過去200年成長し続けてきが、今後も続いていくかどうかは誰にも分からないので留意するべき。
また、バンガードの本社を訪れた際に、物価の高さやホテルなどの設備の劣化も気になった。米国一国だけへの投資で本当に大丈夫なのかという不安もある。
(ただし、世界の株式時価総額の約50%は米国株であり、私も時価総額加重平均の結果、かなり米国株の割合は高い。)

ストーリーを持った投資の重要性

第一部の一番の名言は、たぱぞうさんの「投資はストーリー」という言葉でしょう。日々市場に値動きはありますが、ベースとして自分が信じているストーリーに立ち返る大切さを述べています。
例えば、米国の成長を信じるストーリーなのか、それとも世界経済の全体的な成長を信じるストーリーなのかというぐあいにです。自分がどんなストーリーを軸にするかが投資の砦になって、相場の多少の上下動にあたふたしない(狼狽売り買いをしない)投資ができるようになるとのことでした。

第二部 特別ゲスト登壇「金融庁になんでも聞いてみよう!」

第二部は投資ブロガーのASK氏(今回のインデックス投資ナイトの実行委員長)がホストとして、金融庁でNISA制度の企画などを行っている金融税制調整官である今井利友さんをお招きし、対談や参加者への質問回答をお届けするという内容です。
普段あまり語られることのない、NISA制度の中の人の本音が聞ける貴重な回となりました。

以下ASKさにゃ参加者の方からの質問とその回答です。

金融庁の仕事とは?(ASK)

そもそも行政は基本的に、3つの方法でコントロールを行っている。
それは予算措置(補助金)、規制、税制の3つ。ただ金融庁では予算措置はほとんどなく、規制か税制のみ。そして私が担当しているのは税制、その中でもNISA制度になる。

つみたてNISAの取り組みについて教えてください(ASK)

アクティブ投資を否定しているわけではないけれども、毎月分配型など仕組みとして疑問を感じるものや、手数料・信託報酬が高いものが多い。そこでよりインデックス投資の普及に繋がれば良いという思いがある。

つみたてNISAのNISAとの統合は考えているか?(参加者)

NISAとつみたてNISAの一本化は現在考えていない。
複雑になっているという批判もあるが、そもそも論としては非課税枠を青天井にするわけにはいかず、限界を定めその管理を行わなければならないという制約がある。なおその管理は金融庁などが中心となって管理するモデルではなく、ブロックチェーンのような分散型の技術が好ましいが、いずれにしてもまだその目処が立っていない。
ただそれが可能になれば、複数の証券会社の口座を連動して管理し、NISAを複数の証券会社で運用するようなことも可能になる。

恒久化した場合のつみたてNISAやジュニアNISAの位置づけは?(参加者)

まずジュニアNISAで投資の習慣を持ち、働きだしてからはつみたてNISA、定年時に退職金などで大きな収入があったらNISAで運用するというようなライフステージに合った活用をしてほしい。
また将来的には各制度がスムーズに繋がるような制度の運用を行いたい。

NISAが普及すると、日本にとってどんないいことがあるか?(参加者)

若者の車離れなど、家計の収入が低下し支出も低下している。状況の改善には家計の収入を増やす必要があるが、給与を上げて収入を増やす目処があまり立っていない。そこで運用によって収入を増やしてもらい、消費も増やしていって欲しいという思いがある。

そうした観点からも、私のいる間にNISAの恒久化に取り組みたい。

特に「NISAの恒久化に取り組みたい。」という今井さんの力強い言葉に、会場が沸いた回となりました。

第三部・前半 有識者座談会「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」

インデックス投資を成功させるためには、相場が悪い時に退場してしまわないことと狼狽して不必要な売り買いをして手数料で資産を削られないようにすることと言われています。
しかし、相場が悪い時にこの教えを守ることは簡単ではありません。三部ではだからこその「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」をテーマに、前半部ではカン・チュンドさん(司会)、投資ブロガーのゆうきさん、個人凍死家のテリーの対談が行われました。

ゆうきさんとテリーさんの略歴

「ゆうきさん」
もともとは、2000年代から個別銘柄の投資を行っていたが、ITバブルがはじけて損が大きくなって手を引いた。その後優待株投資を続けていたが、生活が優待株の利用に追われるようになってしまって辛くなってやめた。
その後どうしたら良いか考える中でインデックス投資に出会い、インデックス投資とヘッジファンド投資の併用、リーマンショック後はインデックス投資のみという感じで投資を続けている。
特に「ウォール街のランダムウォーカー」を参考にしており、株価が高くなったらキャッシュの割合を高め、株価が下がったらキャッシュの割合を下げるという形で現金比率の調整をしながら投資を行っている。

「テリーさん」
元々は2000年代の20代中盤のころに投資を始めたが、まさに鴨葱状態で大手の銀行に行って高い信託報酬などを取られる投資信託を紹介してもらっていた。ただ相場も良かったので少し儲かったが、大手の証券会社に行って代表的な投資信託を買ったら値下がりし、個別株に移るようになった。
そしてその後インデックス投資を行うようになったが、楽しみとしても個別株や上がり下がりのある投資も楽しんでいる

身近な人に勧める投資方法

面白かったのが、お二人とも身近な人にはiDeCoなどを活用した純粋なインデックス投資を勧めるそうです。しかし、自分自身は多少の遊びもしたいし、個別株もしたいとのことでした。

メンタリティに関してのメッセージ

特にテリーさんのメッセージが印象に残ったのですが、個別株の投資でもインデックスの投資でも良いのだけれども、自分のルールを曲げずに投資を行いましょうということです。
遊びの部分はあっても良いけど、ベースは自分の決めたルール通りにする、そうしないと狼狽して下手なことをしてしまう可能性が高くなるし、心が挫けてしまうとのことでした。

第三部・後半 有識者座談会「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」

後半部ではカン・チュンドさんの引き続きの司会のもと、経済評論家の山崎元さん、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんの対談が行われました。
主に、司会のカン・チュンドさんの質問にお二人が答えるスタイルで進んでいきます。

2017~18年に投資を始め、損を出してしまっている人へのメッセージ

「山崎さん」
基本的に投資はリスクがあってリターンがあるので、安心しようというのは甘い。そしてしょせんはお金のことでしか無いので、あまり重く捉えないで。

「竹川さん」
人生長いからそういうこともある。上昇相場も来るかもしれないし。

2017年のような上昇パターンでは、みんなどのように行動されたのでしょうか?

「竹川さん」
相場の怖いところは、上がっても下がっても強くなるところ。2017年も上がっているからこそ、利確した方が良いのかとなっている人が大勢いた。

「山崎さん」
利益確定して売ってしまうのは一般的に良いことではなく、税金の問題もあるし空白期間を作るので複利の力を享受できなくなる。もちろん個別株の場合は売らざるえない場合もあるけど、インデックスの場合は基本的に持ち続けた方が良い。

安易に株やファンドを買って損が出た時の心の持ち方は?

「竹川さん」

基本的にリスク許容度には2つの側面があって、経済的な許容度とどのていどの損でどれだけ心臓がばくばくするかという心の許容度。経済的な許容度の範囲内でも、心の許容度を超えてしまうと参ってしまったり狼狽売りをしてしまったりする。
基本的には自分で収支などの決算や今後の契約などを見極め、どの程度までなら損(下落)をしても大丈夫かというラインを明確にしておく。

一度株を始めるとどの銘柄がいいのかという深い話ばかりになるが、いったん自分を俯瞰するようにする。

「山崎さん」
リスク許容度は自分にしか分からないから自分で考えるしかないけど、理屈が大事で、インデックス投資なら、1年間で損をしてもだいたい下落幅は最大30%までで、1000万円なら300万円しか損はしない。計算を簡単にして仮に1000万の資産のうち360万が減ったとすると、例えば老後の生活が30年あるとして360ヶ月で割ると1月1万円でしかない。
つまり老後の1月の生活費が1万円減るということだけど、それが耐えられるラインかどうかを自分で考えれば良い。

あと、金融に限らず就職や転職もリスクで、それぞれ3回に1回は失敗するといわれている。俯瞰してなるべく有利になるほうへ転がっていけば良い。

安く買って高く売るという誘惑に勝つには?

「竹川さん」
株価が上がればみんな買うし、下がればみんな売るので、その逆をしてしまっている人が多い。なお運用成績は女性の方が良い場合が多く、それは慌てて売ったり買ったりしないから。男性は売買が多くて手数料で損をしてしまいがち。

2008~2009年に積み立てをやめてしまったり、売り払ってしまった投資家が本当に多かったので、①自動化する、②ルール化する、③仲間を作る、の3つを行って運用を続けて欲しい。
企業型DCの成績を見ると、現在この相場でも含み損を抱えている人は各社に数%いて、その多くがリーマンショックで下りきった時に売却し、もう市場に戻ってこなかった人たち。まだ塩漬けにしていれば戻せていたのにという思いがある。

またライブドアショックやリーマンショック、東日本大震災などを経験して思ったが、投資以外の安定的な収入をきちんと確保しておるかどうかが心理的な安定にはとても大きな影響を与えている。

「山崎さん」
そもそも今の時点の株価が将来の株価に比較して高いか安いのかはわからないので、上がったから売る、下がったから買うが合理的とは限らない。
また男性が愚かなのは間違いなく、over-confidenceといって男性ほど自分の行うことが何か良い結果につながると安易に考えがち。そうではなく、なまけもののようにじっとしているくらいの方が良い。

もし米中貿易戦争が起きて、例えばNYダウや日経平均が20%下げたらどうアドバイスしますか?

「竹川さん」
下がってから相談されても遅いので、平時のうちから考え準備をしておいて欲しい。おすすめは投資の方針をまとめ、投資方針書を作っておくこと。

「山崎さん」
過去や過去なので悔やんでも仕方ない。
運用方針は紙に残しておき、過去の資産の推移も記録して今後は感情でなく理性で決められる仕組みを作っていきましょう。

最近始めた投資家たちに「これやっちゃダメよ」ってことがあったら教えてください

「竹川さん」
やっちゃダメではなくてやってほしいことですが、無理のない投資スタイルを模索して欲しい。またチャールズ・エリスの言葉に「繰り返し自分を知る」というものがあるが、まさにその通りで残された時間や収入や家族構成も違うので自分のことは自分で考える。
ただ人についていくというのはダメ。

「山崎さん」
金の問題は金の問題と割り切って、理論通りにたんたんと行っていく。
銀行や証券会社に任せっきりはダメ。

以上、インデックス投資ナイト2018の参加レポートをお届けしました。
あらためまして、本イベントを企画・運営頂いた実行委員会の方々に御礼申し上げます!


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