仮想通貨取引の規制が進む


9月20日、大手仮想通貨取引所のZaifより、9月14日にハッキングにより67億円もの仮想通貨が盗難されたという発表が行われました。
この件に関してはZaifのセキュリティー体制はもちろん、なぜ事件発生から被害報告まで1週間近くまで間が空いてしまったのかということも含めて、Zaifの責任とコンプライアンス意識を追求する声が上がっています。

今回は、仮想通貨関連の規制として今秋中にスタートするだろうと言われている、仮想通貨交換業協会(自主規制団体)が定める自主規制内容を見ていきましょう。

仮想通貨に関する規制のあれこれ

仮想通貨は昨年末ほどの熱狂はなくなったものの、保有されている方も多く、また基幹技術となっているブロックチェーンの有望性などから、現在も大きな注目を集めています。しかし、伝統的な通貨や金融商品とは異なる成り立ちを持つものであることから、規制の範囲外に置かれている部分がありました。そのため、金融機関に求められる一般的なコンプライアンス意識が仮想通貨の発行事業者や取引事業者に適用されない場合もあり、常々問題視されてきた背景があります。
そうした中での事件発生であり、今後の対応や処分なども含めて注目を浴びて行く事件となるでしょう。

ただ、仮想通貨関連の規制は現状のまま野放しにされるわけではありません。1月にもコインチェックで580億円という巨額の盗難(ハッキング)がありましたが、こうした事件などを踏まえて今年の春には「一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会」が立ち上げられ、Zaifやコインチェックなど大手交換事業者が正会員として名前を連ねました。

この団体は今秋中には金融庁から自主規制団体として正式に認可される見通しであり、この団体が定める自主規制内容に沿って、交換事業者などは規制を受けていくようになるでしょう。
なお団体が定める規制内容は、仮想通貨の「決済機能」として側面と「投資対象」としての側面それぞれに照準を合わせ、資金決済法等の関する規制と金融商品取引法等に関する規制の2つに分けられます。

資金決済法(他、犯罪収益移転防止法)関連の規制

仮想通貨は2017年4月に法改正・施行された資金決済法と犯罪収益移転防止法の規制対象であり、これは犯罪集団などによるマネーロンダリングのために仮想通貨が使用されることを防ごうというものです。
当然、想通貨交換業協会が設けようとしている規制案もこの法律に対応したものとなっており、下記のようなものが設けられる予定です。

経営管理体制

内部監査などの内部統制システム

利用者保護

分別管理、苦情への対応など

セキュリティ

システムリスク管理体制

マネーロンダリング対策

顧客の身元確認など、リスク管理体制

金融商品取引法関連の規制

また、今回策定される予定の自主規制の内容は、仮想通貨の決済機能としての側面だけではなく、投資対象としての側面にも注目したことです。そのため、インサイダー取引への規制や信用取引におけるレバレッジの制限などが設けられました。
主なものは以下のとおりです。

インサイダー取引対策

仮想通貨の発行者を対象に、取引所への上場に関するものをインサイダーと規定

レバレッジ倍率規制

現在、最大で25倍まで認められている信用取引のレバレッジを数倍まで制限

価格乖離の防止

現在かなりの乖離が出ている、現物取引と信用証拠金取引の価格差を埋める

サーキット・ブレーカー機能

価格急変時に取引を規制するサーキットブレーカーの実装

広告・勧誘

・マルチ温床にならないよう、アフィリエイト広告や成功報酬型の広告も一部規制

投資限度額

顧客の資金量やリスク耐性などをもとに、取引限度額を決定

ICOは規制見送り

なお、今回の自主規制はあくまで取引業者が対象であり、仮想通貨を発行する行為(ICO)に関する規制は盛り込まれませんでした。ただ、盛り込まれなかった理由は金融庁の準備が間に合わなかっただけであり、いずれはこれも規制対象になるだろうと言われています。


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