首都圏で進む医療崩壊、少子高齢化で日本の医療に何が起きるのか?


日本の少子高齢化問題は止まるところを知らずといった状況で、すでに介護や医療などを中心に社会的な問題が出始めています。特に東京都などの首都圏は人口の多さが災いし、少子高齢化による医療の問題が特に大きく噴出する地域と言われています。

個人の力で社会問題を具体的にどうこうすることは難しいですが、医療も介護も人間の生命や生活の根幹を支えるものだけに、無視はできません。自分や家族の命と生活を守るためにも、まずはどういった状況にあるのかを把握しておきましょう。

健康保険料が大幅に増額されるかも?

少子高齢化による医療問題の1つめは、高齢者増加による医療費の増加、そしてそれに伴う健康保険料の値上げです。
所得の高い人にとって、税金は頭の痛い問題ですが、健康保険料の高さにも悩まされているという人は多いでしょう。現在健康保険料は年度の累計額573万円が上限とされていますが、この上限も見直されるかもしれません。

厚生労働省の発表によれば2015年度の時点で国民医療費は42兆3644億円となっています。この金額は前年に比較して3.8%の増加であり、2025年には53兆8000億円になると試算されています。
これは健康保険に加入している被保険者1人あたりの保険料に換算しますと、2015年時点で46万6000円、そして2025年は65万7000円と約4割も増加する計算であり、実際に健康保険料は同程度増加する可能性が高いでしょう。
当然、上限額も見直される可能性が高いと言えます。

首都圏では医師の不足も深刻化

また今後首都圏では医療費が高いか低いか以前に、医師の数そのものが不足していきます。東京都を中心とした首都圏は戦後一貫して人口が増加し続けましたが、医師人口の増加ペースは実はそれより緩やかです。医師の偏在で言えば無医村村という言葉もある通り、地方の問題と思われるかもしれません。しかし、寧ろ医師不足は首都圏(ただし山手線お内側は除く)で深刻化しているのです。
(※人口10万人あたりの医師数は首都圏が230人なのに対して、四国では278人、九州北部では287人と、領域的には寧ろ地方の方が充実しています)

医師の人数の不足は、特に緊急性の高い病気や怪我の際に深刻な問題となってきます。がんや生活習慣病のような病気は、重篤だけれども一刻を争うというわけではありません。しかし事故による怪我や産科・小児科関係の疾病などは一刻を争う場合があります。
そのため特に幼い子や妊婦の方にとって首都圏は危険な地域となり始めているのです。

介護の不足も深刻化

また東京都および首都圏では、介護サービスの不足も深刻です。東京都内や首都圏では介護施設の不足が問題視されており、その対策として施設の整備は大きく進みました。しかし残念ながら介護に従事してくれる人材の育成が追いついておらず、団塊の世代が75歳を超える2025年以降、介護の必要がありながらサービスを受けられず彷徨う高齢者が増加していく可能性があります。

このままでは119番も有料制に?

さらに東京都に関しては救急車を呼ぶ119番にも危機が迫っています。高齢者の増加によって救急出動の数が増加しており、東京消防庁より2017年の救急出動数は過去最多を記録したという報告も行われました。
こうした問題に対処しようと、2007年には救急車を呼ぶべきか迷った時の電話相談窓口(#7119)も開設されましたが、目立った成果は上がっていません。この結果、まずは救急車が出動か現場まで現場到着までにかかる時間が長くなってしまっています。1997年は平均5分18秒でしたが、2017年には7分19秒まで延びてしまっています。

もしこのような状況が進めば、救急車の有料化ということもあり得るかもしれません。例えばアメリカやカナダ、またヨーロッパの一部の国では救急車は有料であり、国によって異なりますが1回の出動で1万円〜5万円ほどの費用が発生します。
日本でも2004年に東京消防庁で有料化に関する議論が行われ、当時は見送られましたがこのままの状況が続けば同じ議論が再燃する可能性もあるでしょう。

以上、東京をはじめとした首都圏が抱える医療問題の概要をお届けしました。未来の姿はかなり悲観的なものになりますが、こうした現実がやってくるということを受け止め、個人単位でもできる備えをしていくことが大切です。


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