節税・租税回避・脱税・・・・それぞれの違いとは?


多くの人は節税には関心があっても、「捕まるリスクを取って脱税しよう」とまでは思わないでしょう。節税と脱税は全く別のことであり、違法な脱税では捕まりますが合法な節税では捕まりません。
また節税と脱税の間のグレーゾーンとして、税のテクニックには租税回避というものがあり、節税と同じく合法ではあるものの、場合によっては法律の隙間を狙って課税を逃れるテクニカルな行為であり、通常の課税を受ける人との間で不公平が生じさせるような行為を言います。そのため、租税回避行為は税務当局から否認される場合もあります。

ここでは、節税・租税回避・脱税の具体的な違いを見ていきましょう。

租税法律主義と租税平等主義

日本に限らず、近代国家の税法は「租税法律主義」と「租税平等主義」を基本としています。

まず、租税法律主義とは、税金は法律に沿った形でしか課税されない、法律の条文に記されていない税金を行政機関の恣意的な都合で課税してはいけないというものです。
暴力行為や脅迫行為などの犯罪の取り締まりでも、「罪刑法定主義」と言って、あらかじめ罪となる行為とそれに課される刑罰を定めていなければ、罪には問えず刑を科してはいけないというものがありますが、それに似たものと言えるでしょう。近代国家では、法律の定めによらないこと(特に個人の人権や財産権を侵害する行為)を行政や政府が勝手に行ってはいけないのです。

次に租税平等主義では、課税と納税は平等に行われなければならないというものです。日本国憲法では法の下の平等が保障されていますが、租税に関しても同じということです。

節税・租税回避・脱税、それぞれの位置付け

節税・租税回避・脱税と租税法律主義・租税平等主義の関係性ですが、

◯節税・・・租税法律主義にも租税平等主義にも適う行為
◯租税回避・・・租税法律主義には適うが、租税平等主義には反する行為
◯脱税・・・租税法律主義にも租税平等主義にも反する行為

というふうになります。

節税

節税は、租税法規に明確に規定されている方法で、税負担の減少を図る行為です。例えばふるさと納税やiDeCo(個人型確定拠出年金)による節税は、もっとも分かりやすいものでしょう。法律に沿って行われる行為ですので、もちろん合法であり、事前にその制度や方法の存在が公になっているので、平等(公平)でもあります。

相続の現場でも、小規模宅地等の特例の利用や、暦年贈与による生前贈与や最終的な税負担を減らすために相続時精算課税による賃貸不動産などの贈与や、事業承継税制の活用がこれにあたります。

租税回避

次に租税回避ですが、これは租税法に違反はしていなけれども、課税のための要件を回避するために、通常からは大きく逸脱した取引等を行って、課税を逃れる行為です。節税が租税法であらかじめ予想され認められる行為であることに対して、租税法の想定外の部分をついて課税を逃れる行為と言えるでしょう。
法律違反ではないため租税法律主義的には認められますが、公平かつ平等な課税を阻害しているので、租税平等主義には反する行為です。

有名なところで言えば、米国のグーグル(アルファベット)やスターバックス、北欧のイケアなど多国籍企業にる各国の税法の抜け穴をついた国際的な租税回避行為は、今世界中で大問題となっています。
またより身近な部分で言えば、不動産や法人その他各種スキームを用いた相続税の租税回避などは時々行われています。

こうした租税回避行為は、法律違反ではないため、日本においてはこの後説明する脱税のように、刑事罰の対象にはなりません。しかし、税務調査などで租税回避行為と認定された場合、税の公平性の観点から、租税回避行為を否認され本来の課税額を追徴されることになります(そうした課税当局の判断に納得できない場合、国税不服審判所や裁判所にて争うことになります)。

脱税

脱税ですが、これは税法にも反する形で課税逃れをする行為であり、当然税の平等性にも反しています。わかりやすいところで言えば所得隠しや財産隠しによる過少申告などでしょう。
発覚すれば本来の税に加えて、懲罰のための重加算税が課せられることもありますし、場合によっては刑事罰の対象にもなります。


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