新型コロナウイルスに関連する各種給付、課税か非課税か?異なる税務上の規定


新型コロナウイルスの感染拡大抑止のために、様々な経済活動の自粛が求められ、その対策として国や自治体から各種経済対策が企画・実施されています。特に有名なものは国内に住む全国民と3か月を超える在留資格などを持ち住民票を届け出ている外国人を対象に一律10万円を配る「特別定額給付金」や、中小法人最大200万円・個人事業主最大100万円が支給される「持続化給付金」となります。
その他にも、休業による解雇や経営の圧迫を抑止するための「雇用調整助成金」や、「東京都感染拡大防止協力金」のような自治体による支援策も充実しています。

ただ、これらは制度によって課税対象となるもの、課税対象外(非課税)となるものが分かれるため、2020年度の確定申告をどうするのか心配される方や、給付額から天引きされたりしないかと不安になる方もいらっしゃるようです。

そこでここでは、課税される制度とそうでない制度の説明、また課税される制度でもどのような扱いになるのかについて、お届けしたいと思います。

課税対象となる制度

まず、課税対象となる制度と、その課税方法を見ていきましょう。

持続化給付金

2019年以前から事業を営んで収入を得ていった個人・中小法人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に入って収入減少があった場合に、個人事業主最大100万円・中小法人最大200万円の給付を行う制度です。
(なお、個人事業主の場合本業で給与収入があり、副業で事業を営んでいる方も副業収入に関して制度の適用対象となります。)

参考:【持続化給付金】フリーランス(個人事業主)のためのコロナの給付金手続きのまとめ

この制度で給付された資金は、制度を管轄する経済産業省のQ&Aにもあるように、所得税や法人税の課税対象となります。
所得税の計算では、事業所得の収入に含めて計算します。

Q15.持続化給付金は課税の対象となるのか。
・持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。

持続化給付金に関するよくあるお問合せより

ただし、引用文で太字にした箇所にもある通り、この給付金は通常の売り上げ収入と同じように扱われ、人件費や家賃などの必要経費などの支出を控除可能です。最終的にその年の課税金額がどうなるかは、他の売上や損金(経費)の額によるので、ケースバイケースですが、課税上かなり有利な制度と言えるでしょう。
当然、事前に税金分が源泉徴収のような形で天引きされることもありません。

雇用調整助成金

新型コロナウイルスによる休業などで、厳しい状況にある事業主に対して、従業員の雇用維持を支援し解雇に踏み切らないでもらうための制度です。雇用保険の適用主であることや、売上高や生産量などの減少指標の条件がありますが、雇用主が労働者に対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用の維持を図った場合、休業手当等の一部が国から助成されます(一定の要件を満たす場合は全額が助成)。

この制度は主に企業が対象となるため、法人税にてどう扱われるかですが、法人税法では下記のように資本等取引以外のものに係る収益を全てを益金(課税対象)としており、雇用調整助成金は資本取引に当たらないため、課税対象となります。

法人税法第22条 第2項
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。

ただ、雇用主の方は雇用調整助成金にて入ってきたお金をそのまま従業員への休業補償へ充当され、それが損金として相殺されますので、特別税金が増えるといは言えないものとなるでしょう(この部分、知識があやふやです)

東京都感染拡大防止協力金

これは東京都限定の制度になりますが、都の要請や協力依頼に応じて、施設の使用停止や営業時間の短縮に全面的に協力する事業者に対して50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円)の給付が受けられる制度です。
東京都は国に対してこの制度を非課税にするよう要望を提出しましたが受け入れられず、課税対象となることになりました。しかし持続化給付金と同様事業に係る支出が経費として控除できるため、収入の減少や各種経費の支払などによって協力金を含めてもなお赤字となる場合、課税所得は生じません。
(※その他の自治体の類似制度に関しては異なる可能性もあるので、個別の確認が必要となります。)

課税対象とならない制度

次に課税対象とならない非課税給付の制度を見ていきましょう。

特別定額給付金

一部で既に給付が始まっている、国民1人当たり一律10万円を配る特別定額給付金は課税の対象となりません。
所得税にも贈与税などの資産税にも含める必要は無いのです。

子育て世帯への臨時特別給付金

日本の児童手当制度では、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方を対象に、下記の金額が月額で給付されています(原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当を支給)。

3歳未満 → 一律15,000円
3歳以上小学校修了前 → 10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生 → 一律10,000円

この制度に上乗せする形で、児童1人あたり1万円の臨時特別手当の支給が行われるのですが、元々児童手当が非課税制度であり、この臨時特別手当も課税対象となりません。

困窮した事業者への支援策での税金からの給付を課税対象にすることには違和感もありますが、法令を根拠にしており、法整備の観点から国税当局の恣意的な運用で課税・非課税にできるものではないようです。
日経新聞の記事では国税関係者の「コロナ感染による外出自粛などの影響で収入が激減している事業者がそもそも多い。費用の方が収入を上回れば、実質的に税金を支払う必要はなくなる」という声を上げていますが、税金を払う必要がないのは結果論で、課税対象になることの違和感の説明にはなっていないように見えます。

以上、主な新型コロナウイルスに関連する各種給付・助成などの課税関係をお届けしました。
また新たな制度などあれば、最新情報をお届けしていきたいと思います。


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