土地の相続税評価のポイント

日本人の相続財産に占める土地の割合は非常に大きく、例えば国税庁が発表した平成27年の相続税の申告状況によれば、平成27年に相続税申告を行った人の相続財産に占める土地の割合は約38%とされています。
このように相続においてインパクトの大きい土地の相続税評価について見ていきましょう。

ここでは特に多い宅地(居住などのために自分で使用している土地)について扱います。

路線価方式か倍率方式

相続財産の評価方法は財産評価基本通達というものによって定められており、その財産評価基本通達では宅地の評価方法は路線価方式か倍率方式によって評価するものと定められています。
このうちどちらで評価するのかは土地ごとに定められており、国税庁の発表する路線価図にて、自分が相続した土地がどちらで評価される土地なのかを把握することが可能です。

路線価方式での評価

路線価とは、相続や贈与によって土地の移転が行われた際に、その土地の時価を算定する基準として国税庁が発表しているその土地の1㎡あたりの価格です。
実際の土地の流通価格は市場取引によって定められますが、上場株式のような公開市場があるわけではないので、実際の取引価格の詳細は誰にも分かりません。そのため、土地の相続税評価額を算定するためには土地ごとの便宜上の評価額を定める必要があり、路線価が導入されています。
(なお、路線価は実際の流通価格よりも低めに定められているケースが大半です。これは上々株式などと異なって土地は流動性が低いため、いざ換金したくなっても容易に換金できないことも多く、場合によっては足元を見られて低い価格で売却してしまうことも多いことを考慮してのことです。またその年の路線価は毎年7月頭に国税庁によって発表されます。)

路線価方式による土地の評価では、土地の価格は路線価×面積(㎡)となります。
また路線価はその名の通り路線(道路)ごとに定められており、その道路に面している土地の値段を表します。角地にある土地など、複数の道路に面しており、道路ごとに路線価が異なる場合は最も高額な路線価が適用されます。

倍率方式での評価

路線価は全ての土地に定められているわけではなく、主に市街地を対象に定められています。そして路線価が定められていない地域に土地に関しては、固定資産税評価額に一定の倍率をかけてその土地の相続税評価額を求めるよう財産評価基準通達によって定められています。
(その倍率は国税庁が定めており、毎年見直しが行われています。)

なお、これは誤解しやすいポイントなのですが、固定資産税評価額は各年の固定資産税の計算根拠となる課税標準額とは異なります。各市区町村の固定資産台帳に登録されている価格が固定資産評価額であり、各自治体が発行する評価証明書で確認することが可能です。

路線価方式の場合調整が発生

路線価方式によって評価される土地の場合、全ての土地を路線価×面積だけで評価してしまうと、土地によって形状や周辺環境などの問題で実際の市場価格との乖離度合いが変わってきてしまうため不公平を生じさせてしまいます。そのため路線価方式による土地の相続税評価では下記のような調整が導入されています。

この調整をきちんと行うと相続税評価額が大幅に引き下げられることも多いので、相続税の申告寺には注意しましょう。

奥行価格補正

奥行きが長い宅地は利用方法に制限がつく場合が多いため、補正が入り一般的に相続税評価額が下がります。

側方路線影響加算

例えば角地など、正面だけではなく側方にも道路がある宅地は利用価値が一般に高いとされているため、その分相続税評価額が加算されます。

二方路線影響加算

正面と裏面両方で道路に接しているような土地も利用価値が一般に高いため、その分相続税評価額が加算されます。

間口狭小補正

間口が狭い土地は一般的に利用に制限がつくことが多いため、間口の距離に応じた補正がつき相続税評価額が低くなります。

奥行長大補正

奥行きが間口の2倍以上になる宅地は一定の補正がつき相続税評価額が低くなります。

がけ地補正

がけが含まれるような土地も一般に利用価値が下がってしまうため、1割以上がけ地があるような場合一定の補正がつき相続税評価額が低くなります。

その他

高圧線の直下にあるような土地や、不整形地、騒音や悪臭などがあるような土地も補正がつき相続税評価額が低くなります。