金融資産(上場株式)の相続税評価

日本人の相続財産に占める割合で見れば不動産が最も主流と言えるのですが、近年は長期傾向としての地価の下落や投資の活性化などから上場株式や投資信託などが相続財産に占める割合も大きくなってきました。
こうした上場されている、あるいは気配相場のある金融資産の相続税評価額も見ていきましょう。

上場株式の相続税評価額

まずは所有されている方も多いであろう上場株式の相続税評価額を見ていきます。説明がなくともご存知の方も多いでしょうが、上場株式とは東証などの証券取引所に上場している株式のことで、日々公開市場の中で取引されているため、市場価格が定まりそれが相続税評価額として適用可能となります。
(上場されている投資信託=ETFの評価も同じように行います。)

具体的に上場株式は以下の4つの価額のうち最も価格の低いものでその相続税評価を行います。

①課税の対象となる時期=相続の発生日や贈与の発生日の終値
②課税の対象となる時期が属する月の毎日の終値の月額平均値
③課税の対象となる時期が属する月の前月の毎日の終値の月額平均値
④課税の対象となる時期が属する月の前々月の毎日の終値の月額平均値

株価は基本的に日々変動しますし、季節的な要因や突発的なニュースで高騰したり暴落したりする場合もあります。そこで課税面での公平を実現するためにこのような幅のある評価方法が採用されているのです。

なお株価のデータは新聞やネットサービスでも確認できますし、証券口座のある証券会社や税務署などで確認することも可能です。

気配相場などのある株式の評価方法

上場されているわけではないけれども、公開途上であったり登録銘柄・店舗管理銘柄であったりを理由に、市場価格=時価の計算が行えるような株式を気配相場のある株式と呼びます。こうした気配相場のある株式の場合、以下のような方法で相続税評価は行われます。

登録銘柄・店舗管理銘柄

登録銘柄とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、これは日本証券業協会が審査を行って店頭登録基準を満たしていると認めた銘柄のことを指します。そして店頭市場とは、上場基準には達していないが一定の基準を満たした中小企業や新興企業が株式を流通させ、事業のための資金調達を行えるようにと創設されたものです。そのため登録基準は上場の基準に比べて緩やかであり、1998年に見直された登録基準では、ベンチャー企業であれば他の条件を満たしている場合赤字でも登録が可能です。
また店頭管理銘柄とは、登録銘柄の中で店頭登録を取り消された銘柄のことを指し、日本証券業協会の管理のもとで店頭市場での売買が行われている株式です。

こうした株式は次の4つの方法のうち最も評価額が低いものが相続税評価額として採用されます。

①課税の対象となる時期の取引価格(高値と安値があるのであればその平均)
②課税の対象となる時期の属する月の毎日の取引価格の月平均
③課税の対象となる時期の属する月の前月の毎日の取引価格の月平均
④課税の対象となる時期の属する月の前々月の毎日の取引価格の月平均

公開と常にある株式

上場準備中など、公開の途上や店頭登録の途上にあるような株式の場合、その株式の公開価格が評価額となります。