家屋と借家権の相続税評価

不動産は駐車場や資材置き場などを除けば更地のままだと利用価値がありません。誰かに何かしらの建物を建ててもらい利用してもらって初めて価値が生まれることになります。
当然そうした建物も相続税の課税対象となっており、代表的な建物である家屋の評価方法を見ていきましょう。

相続税評価額は固定資産税評価額

家屋の相続税評価額は固定資産税評価額に一定倍率を掛けて求めることになっていますが、この一定倍率は、今は全国的に1.0倍となっており、事実上固定資産税評価額が相続税評価額となっています。
そこで固定資産税評価額をどうやって調べるのかですが、最も簡単な方法は家屋が存在する市区町村役場で確認することで、評価証明書を発行してくれます。

また、土地や家屋などの固定資産を持っている人には自治体(市区町村)から毎年固定資産税の納税通知書が届いており、そこに添付されている課税明細書にも固定資産税評価額は記載されています。
(「価格」という欄をみてください。)

固定資産税評価額とは

ところで、そもそも固定資産税評価額や固定資産税とは何かについても押さえておきましょう。
固定資産税の課税主体は、市区町村などの地方自治体で、今回テーマとしている家屋や土地などの固定資産を所有している人に納税の義務が生じます。
あくまでも所有していることによって課される税金なので、例えばアパートやマンションなどに入居している、駐車場をレンタルしているからといって固定資産税が課されることはありません。その所有者が課税されます。
なお固定資産税の納税額は、固定資産税の評価額に標準税率の1.4%をかけた金額になります。

固定資産税評価額の算定

では固定資産税評価額がどのように決まるかなのですが、国土交通省が定める土地の公的価格や家屋の時価に対して、その大体70%の割合で付けられた金額となっています。
(ただし土地の価格は変動する場合も多いため、3年に1度、評価額は見直しされています)

設備の固定資産税評価額

住居にまつまる固定資産は、宅地と家屋に限定されません。その他にも塀や門なども固定資産になります。またその他にも庭などに用いられている建築物も同様です。こうした資産も家屋と同様に固定資産税評価額が相続税評価額となりますが、こうした財産の固定資産税評価額の決まり方も見ていきましょう。

まず門や塀ですが、再建築価額=評価時に新たに建築する場合の費用が算定され、そこから焼却費相当額を控除して算定します。また、庭園設備の場合は調達価額=評価時に同程度のものを取得するための費用に70%で評価します。

貸家の固定資産税評価額

マンションやアパートなどを貸家として誰かに貸し付けている場合、その家屋の相続税評価額は固定資産税評価額と同額にはなりません。この場合は借家人の権利の分だけ建物の価値が控除されるという考え方をします。
なお具体的な評価としては自用の家屋の評価額=固定資産税評価額から借家権割合を引いて求めるのですが、借地権割合が地域ごとに異なっていたのとは異なり、借家権割合は全国で一律30%とされています。つまり貸家の相続税評価額は固定資産税評価額の70%になります。

借家権は相続財産ではない

なお借地権は相続財産となりますが、借家権は相続財産にはなりません。被相続人が建物を借りていたからといって、その契約を相続人が引き継いだとしてもその行為自体は相続税の課税対象とはならないのです。