そもそも相続税とはどのような税か?(その基本と納税までの流れ)

そもそも相続税とはどのようなもので、どうして納税する必要があるのでしょうか。また相続税の納税は、どのように手続きを進めていけば良いのでしょうか。

ここではそういった相続税の基本をご案内いたします。

そもそも相続税とは?

そもそも相続税とは、親族の死亡に伴って故人となった人物の財産移転(=相続)が行われる際に課税される税金です。なお、亡くなった人物を被相続人と呼び、相続によって財産を承継する人物を相続人と呼びます。

相続税はもともとヨーロッパの文化で、イギリスによって始められたと言われています。日本においては江戸時代まで相続税は存在せず、明治維新以降拡大した海外との戦争のための戦費調達のために導入されたのがはじまりです。

しかし現代では、相続税は一種の不労所得である像族財産に対しての所得税の補完としての位置付けと、特定の家系に連なる人物への富の集中の抑制がその主な存在理由となります。
相続税の導入当初には現代の贈与税に相当する税金が無かったため、相続税の課税回避は容易とされていました。また最高税率も現在ほど高くはなかったので、決して負担の重い税では無かったのです。贈与税の創設や最高税率の引き上げなどは、戦後にGHQの占領政策の一環(シャウプ勧告)の中で行われていきました。
戦争によって荒廃した日本社会を立て直すための税収増と、財閥や旧家族といった一部の人間への富と権力の集中が民主主義を弱らせ、戦争の遠因になったとGHQが判断したからです。

相続発生から相続税納税までの流れ

相続の発生から相続税納税までの流れを見てみましょう。
相続税はいつ納めても良いものというわけではなく、所定の期間内に納税するか延納などの手続きを行わなければなりません。実際に相続財産をいつになったら受け取れるのかについては、遺産分割などが長引くとその分遅れてしまう場合もあるのですが、相続の概念自体は被相続人の死亡ともに発生しているからです。
そのため、相続税の申告と納税には相続の発生から10ヶ月以内という期限が定められています。

①被相続人の死亡

被相続人の死亡とともに相続は発生します。また相続財産の有無に関わらず、被相続人の死亡から7日以内に遺族は市区町村長宛に死亡届を提出しなければなりません。

②遺言の確認

故人の死亡届の提出や故人と親しい人への連絡、葬儀などが済んだら具体的な相続の話が始まります。まずは遺言の有無や内容の確認から行いましょう。
遺言には大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類がありますが、自筆証書遺言の場合は開封時に家庭裁判所による検認が必要です。
(遺言がない場合は、遺産分割協議にて遺産の分割方法を決めることになります。)

③相続人の確定

遺言書の内容や民法に沿う形で相続財産を受け継ぐ相続人を確定させます。なおそのためには故人の戸籍を確認します。

④相続財産の調査・把握

相続財産を把握し、財産目録を作成します。なお生前の贈与財産も死ぬ直前の贈与などは相続財産に含まれ相続税の対象となったり、遺産分割時に特別受益として考慮対象となったりすることがあるので、被相続人の財産の動きにも気を配らねばなりません。

④単純・限定承認・相続放棄の手続き

相続放棄や限定承認を行う場合、相続の発生を知った日の翌日から3ヶ月以内に家庭裁判所にてその手続きを行わなければなりません。
相続財産の調査の結果、債務などの負の財産の方が大きいようであれば、こうした手続きを選ぶことも大切です。

⑤準確定申告

被相続人が確定申告を行わなければならない立場の場合、亡くなった年の確定申告は遺族が相続から4ヶ月以内にこれを行わなければなりません。

⑥遺産分割協議

遺言に示された相続人(受遺者)や、法定相続人が集まって遺産分割に対して協議を行います。遺言内容が完璧なものであればこの協議は不要ですが、遺言が無かったり不備があったりした場合は行わなければなりません。
また遺産分割協議の結果は法定相続人の全員一致のみで可決されます。そのため、万が一納得できないという人が出てきた場合、争続に発展してしまいかねません。

⑦相続税の申告と納税

相続税の申告と納税は相続の発生から10ヶ月以内に行わなければなりません。なお相続税を確定させるためには遺産分割協議を終える必要があるので、遺産分割協議も10ヶ月以内に終えることが求められます。

⑧財産の名義変更

銀行預金の名義変更や不動産などの登記変更を行います。この手続きは特に期限の定めがありませんが、遺産の分割がまとまっていないうちは実施できません。
また手続きを行わずに名義関連を放置することは好ましくないので、きちんと手続きは行いましょう。