ガン検査を簡単にしてくれる血液検査による診断法


がん検診を血液検査で行う企業に、米IT界大物からの出資が相次ぎ注目を集めています。

日本人の死亡原因の第1位を占めるガン。毎年の死亡者のうち、約3割の方ががんが原因で亡くなっており、がんに対する治療や検査方法、罹患してしまった場合の対策には注目が集まっています。日本人の2人に1人はがんに罹るとされており、自分かあるいは家族ががんになる可能性は高いといえます。だからこそ、正しい知識を身につけ適切な対策ができるようになりましょう。

多くの方が不安を感じるがんですが、早期発見できるか否かによって、その後の生存率に大きな違いが生じます。ただ、様々な理由で検査の機会を持たずに発見が遅れた場合、生存率は大きく減少します。そこで、より簡便かつ低コストでがんを検査できる方法が求められており、その中で、血液検査によるがんの検査に今注目が集まっています。

がんの治療には早期発見が極めて重要

がんを理解する上での大きなポイントは、早期発見・早期治療の重要性です。2016年1月20日に発表された国立がん研究センターのレポートでも、がんを早期発見できた場合とそうでない場合では、5年後の製造率において5倍以上のもの開きがあります。

病期1(がん細胞が筋肉にとどまりリンパに移転していない)
10年生存率:90.1%
5年生存率:86.3%

病期2(がん細胞が筋肉を超えて少し広がっている)
10年生存率:76.3%
5年生存率:69.6%

病期3(がん細胞が広がり、リンパ節まで転移している)
10年生存率:46.0%
5年生存率:39.2%

病期4(がんが他の部位にまで転移してしまっている)
10年生存率:17.4%
5年生存率:12.2%

引用:初めて調査が行われたがん患者の10年生存率から分かること(相続.tokyo)

参考:全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について 10年生存率初集計(国立がん研究センター)

がんは、細胞が遺伝子などの破損により、異常分裂を繰り返す病気です。そのため、発見が早期であれば、患部の広がりも狭く治療も容易です。しかし、がんがその発生部位(原発巣といいます)から他の部位にまで転移するほどに成長してしまった場合、外科的な手術にしても投薬などにしても、正常な部位に影響を与えない形でのがん細胞の根絶が難しく、治療の成功確率が低くなってしまいます。

なお、iPhoneで有名なアップル社の創業者、故スティーブ・ジョブズ氏は膵臓癌で亡くなっています。ジョブズ氏はがんの発見後、心情的な理由から病院での治療を拒否し、自然療法による治癒を試みたのですが、上手くいかず途中から病院での治療に切り替えました。晩年は、もっと早く病院で治療を受ければ良かったと後悔していたそうです。

米国IT業界の大物が出資する血液でのがん検査企業

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏らが、血中に含まれる遺伝子片を調べることで、簡単にがん検診ができるサービスの提供を目指す、米グレイル社に100億ドル(約1兆2000億円)を投じたニュースが話題になりました。米国でもがんは死因の上位を占め、2位とされています(1位は心疾患)。また、世界的に特に先進国ほど、がんは死因の上位にくる傾向があるため、がんの検査や治療はビジネスとしても大きな分野とされています。

同社の検査方法は、血中にある遺伝子片を採取しその情報を分析することで、患者の負担なく血液検査だけでがんの診断を行うことを目的としています。現在でも技術的には可能な方法なのですが、検査コストが高く一般流通させるには現実的ではありません。そのため、同社は低コスト化を目標にし、数百ドル(数万円)程度の費用で2019年からのサービス提供を目指し活動しています。

日本でもウシオ電気や味の素が血液検査によるサービスを開始

このような、がんの検診の簡便化ビジネスの潮流は、アメリカに限ったものではありません。例えば日本でも、ウシオ電気や味の素などが血液検査によるがんの診断サービスを始めています。

例えばウシオ電気は、関連会社と協力し、遺伝子情報ではなく血中のタンパク質に着目し、それを検査することで大腸ガンや糖尿尿になるリスクを早い段階で測定できるキットを2016年2月1日より販売開始しています。特に大腸ガンの診断はこれまでは便を調べる方法や、内視鏡検査が主流でした。しかし、これには消化器官からの出血がある方や、女性などで内視鏡検査に抵抗のある方への検査が難しいという課題があります。そこで、このような血液検査による診断を研究、開発したとのことです。

(なお、糖尿病と大腸ガンの間には関連があり、糖尿病になると大腸ガンになるリスクは1.4倍にあがります。)

また味の素では、味の素らしく血中のアミノ酸バランスに着目したガンの検査を2011年より提供しています。血中のアミノ酸バランスは、通常は一定の状態に保たれているのですが、がんなどに罹ると変化が生じるため、がんの検査が可能になります。全国で1000の医療器官が人間ドッグなどのオプションで選択しており、既に10万人の方が検査を受けられています。

血液検査によるがんの検査は、既に実用段階のものもあります。健康診断や人間ドッグなどで参考にしてみてください。


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