お金持ちでも破産する?〜インカムリッチのためのフィナンシャルプランニング〜


今回の記事では、外資系企業のサラリーマン、勤務医、プロフェッショナルなどを中心とした高額所得者の方(インカムリッチ)向けのファイナンシャルプランニングについてお届けします。

「ファイナンシャルプラン」という言葉くらいは聞いたことのある方は多いと思いますが、聞き慣れない方もいるかもしれません。簡単に言うと、個人の収支管理や資産形成の観点から生涯設計(ライフプラン)を立てることで、会計的な観点で言えば、P/L(損益計算書)やB/S(貸借対照表)を個人版(自分のファミリー)で作成し、現状把握と将来計画を数字で認識することです。場合によっては親御様の税金対策を含めた相続資産管理も含みます。

意外に資産形成が遅れがちなインカムリッチ

インカムリッチ層のファイナンシャルプランニング上でありがちな課題は、収入の大きさに対して資産形成が遅れがちな場合が意外と多いことです。端的に言ってしまえば収入も多いのだけれども、支出も多いと言うことです。
もちろん投資や資産運用等を行いながら着実に資産形成を図っている方もたくさんいるのですが、一方で、30代で年収2000万なのに貯金は数百万、という方も多く見られます。仕事を頑張って若いうちから稼いで良い暮らしをして人生を謳歌する、というのも大事です。ただ、長期的なファイナンシャルプランの観点からは、これは望ましい状態とは言えません。人並みに以上の収入が生涯に渡って維持できれば問題はないのですが、いつかは加齢によって仕事の継続が難しくなるでしょうし、現役であっても万が一の時には事故や病気などの理由で仕事の継続ができなくなる可能性があります。また、特に外資系企業勤務の場合は収入や雇用も日系企業より不安定です。
収入が減った場合、生活を見直し支出を減らす必要が発生しますが、急激な生活レベルの悪化はそれまでの暮らしが豊かであっただけにストレスも大きくなってしまいます。人間、慣れとは恐ろしいもので、一度上げた生活レベルはなかなか落とせません。

インカムリッチの支出が大きく、資産形成が遅れがちな理由はいくつかありますが、生活の必要経費が多いという側面が大きいでしょう。職種によって差はあるでしょうが、高収入を得られるにふさわしく働くため、スーツや鞄など周囲に合わせてある程度は高級な物を用いなければ浮いてしまうというのもあります。時計や車も良いものを買いたいでしょう。それに高級レストランで食事をしたり、交際費なども多くかかるでしょう。また、中央区や港区のタワーマンションといった住居も勤務先に近いところに構えたいので、住居費負担も大きくなりがちです。子供がいれば教育にもお金を使いたいと思うでしょう。
仕事の成果を上げ、インカムリッチになる人は、負けず嫌いで一定のポジションになっている傾向もありますので、同僚や自分の周りよりも生活レベルで負けたくないという意識も働いているように見えます。

その他に、インカムリッチは仕事上の責任が大きく、プレッシャーを感じながら働かれている事が多いです。そのためストレスも大きくなりがちであり、その反動として消費が派手に成りがちというのもあります。

これは個人差が大きいので一般論として語ることは適当ではないかもしれませんが、全体としてこうした傾向があるので、自分にも当てはまるという方も多いのではないでしょうか。

インカムリッチのファイナンシャルプランニングのポイント

上記のようなことを踏まえて、インカムリッチの方のファイナンシャルプランニングのポイントは、大きく3つあると言われています。

まず1つは、遅れがちな資産形成に意識を向けることです。リタイア後も現在と同じく豊かな生活を維持するためには必須の項目です。貯蓄や余裕資金を作り、長期的に利益が期待できる投資商品(株式投資等)や、収益不動産などインカムゲインを生むような資産を形成できるとより望ましいでしょう。

2つ目は、自身の身に万が一の事態が生じ、仕事の継続が難し唸った場合のリスクヘッジです。扶養されているご家族の有無や、現在の資産規模によって必要性が異なりますが、配偶者や子どもがいて、まだ十分な資産の形成前なのであれば、最悪の場合に備え、生命保険などによるリスクヘッジも考える必要があります。なお、保険料はコストという意識を持つことが合理的な判断で、ある程度の貯蓄があれば、本来的には生命保険は最小限で十分です。

そして最後の3つ目が仕事による収入を長期的に確かなものにするための継続的な能力開発と健康維持です。ファイナンシャルプランとして理想的には、セミリタイア出来る状態になって、「やりたい仕事」を存分にやれることでしょう。

3つとも全て大切ですが、あえて優先度つけるのであれば、長期的な人生の夢や目標をイメージし、たまに思い出し、目標の実現に向かっているかをチェックすることを始めることです。企業が予算を管理するのと同じように、個人や家計も目標をもって資産管理をすると、長期的により良いライフスタイルが過ごせる可能性が高くなります。

資産形成への取り組み方

インカムリッチの人に限りませんが、資産形成の始まりは日々の収入の中から、資産形成用の資金を確保することがスタートです。現状で出来ていないのであれば、まず日々の支出や生活を見直す必要がります。

こうして日々の収入から予算を確保するのですが、この予算に対してどの程度のリスクを取り、どのくらいの運用利回りを目指して資産運用を行うのかは、その人の価値観になります。現状のたな卸しと、どの程度の利回りだと、いつまでにいくらの資産が必要か、考えてみることをお勧めします。

ただ、非現実的な運用益は狙わない方が良いでしょう。ハイリスクな投資は、かえって資産を減らしてしまうことが往々にしてあります。
また、高い運用益を狙う場合はそれ相応のリスクを受け入れる必要がありますが、インカムリッチ層は、収入が高く資産形成に回せる原資も多いので無理に高額の運用益を狙う必要があまりない場合が多いのです。また、一般的に運用益が高い運用手法ほど、時間も意識も多く取られます。そもそも本業が忙しいインカムリッチにとって、そのような負担が生じることは日々の生活設計の観点から好ましくない場合が多いのです。長期的なファイナンシャルプランニングの上では、大きな損失を出さず、長く続けられることが成果に繋がります。

お金の問題は人生で大事ですが、正しい知識を身に付け、失敗しない、損をしないことです。仕事や家族、収支や資産の状況、自身の意向を踏まえてファイナンシャルプランニングを考えることが重要です。


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