マイナンバーの提出必須?〜2017年確定申告の注意点〜


2017年度の確定申告のシーズンがやってきました。日本では、給与の年間収入金額が2,000万円を超える人;や2か所以上のところから給与の支払を受けている人等や、医療費控除や住宅ローン控除初年度など確定申告を要する一定の事由が生じている場合を除いて、一般の多くの給与所得者は確定申告をしなくとも、会社などが毎月の給与から所得税を天引きし12月の年末調整を経て年間の税金を会社が本人に代わって納めてくれるので確定申告を行う必要はありません。副業をしていて個人事業主としての所得があったり、賃貸不動産を所有し不動産所得がある場合も確定申告が必要です。
確定申告が必要な人は、個人事業レベルであれば領収書の整理などを年間分まとめて行うことも多いかと思いますが、手間がかかるシーズンとなります。

2017年の確定申告から個人事業主の方などにはマイナンバーの提出も義務化されます。そうした注意点も含めて今回の記事では確定申告の基本を見ていきましょう。

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確定申告とは

日本の所得税は申告納税方式であり、所得を得た人が自ら所得税額を計算し申告と納税を行います。毎年1月1日から12月31日までの間に得た所得を計算し、翌年の2月16日から3月15日の間に申告と納税を行いますが、この手続きを確定申告と言います。
冒頭にお伝えしたように、一般の給与所得者の多くは毎月の給与から税金分を天引き(源泉徴収)され、年末に最終的な年間給与収入が確定した段階で給与の支払者側(勤務先の会社)が控除や所得の計算を行い、所得税を納付してくれます。

実際に自分で確定申告を行う対象者は以下のような人達になります。
・その年の給与収入が2000万円を超える人
・2箇所以上から給与を受け取っている人
・退職後年末までに再就職していない人
・雇用されていない個人事業主、
・給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超える人(副業を行っている人や不動産所得がある人)、会社員であっても副業で個人事業(事業所得)で20万円以上の所得がある場合はここに含みます。
・住宅ローン控除の適用を受ける人(初年度のみ)
・配当控除の適用を受ける人
・雑費控除、医療費控除、寄附金控除を受ける人
・株式売買で特定口座の申告不要の範囲外の事由がある場合(損失の繰越控除の適用や複数の証券口座を保有し利益を損失が別々にある場合など)

確定申告の流れ

初めて確定申告を行うという人や、今まで税理士に任せていたけれども自分でやってみるという方は確定申告の大きな流れをまずは押さえると良いでしょう。税理士に任せる場合も、相手がどのような作業をしているのか把握している方が業務を頼みやすく費用対効果も分かりやすいため、ある程度の知識を付けておくに越したことはないでしょう。
別記事でも詳細な税額計算方法などをお伝えしますが、確定申告の手続きは下記のような流れで進みます。

①申告に必要な書類の準備

確定申告では自身の状況ごとに申告書を選ばなければなりません。申告書の種類は2種類に分かれ、申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、配当所得、一時所得に限定され予定納税額もない場合に使える申告書Aと、誰でも使える申告書Bがあります。
収入が2000万円を超えたり各種控除を活用されたりする給与所得者の人は申告書Aを使い、個人事業主や不動産所得がある人は申告書Bを使います。
申告書の他に、所得の種類ごとに必要に応じて、源泉徴収票等の添付書類も添えなければなりません。詳細についてはリンク先の国税庁のWEBサイトをご確認ください。

Q23 所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出する際に必要な書類はどのようなものですか。(国税庁)

②申告書の作成と提出

必要書類が揃ったら、税額を計算し申告書の作成を行います。厳密な計算方法は別記事にてお伝えいたしますが、不明な場合は税理士などの専門家に相談しても良いでしょう。
税金の計算自体は、所得税というルールの全体像を知っておくと節税の方法を考えたりするには有利になったり、入力漏れやミスを防げるようになるかと思いますが、必要事項をソフト等に入力すれば申告書自体は作成できますので、税額計算を自分で行う必要は通常はありません。(手書きの場合は当然自分で計算しますが、現代では少数派でしょう。)

申告書の作成は、申告用紙を税務署などでもらって手書きをするほかに、国税庁が運用している確定申告書作成コーナーというWEBサイトでも作成することが可能です。
このページはe-Taxという国税庁の電子申告システムにも対応していますので、そのまま画面上で申告を終えることも可能ですし(e-Taxに別途登録している場合)、書面を印刷してそれを税務署に郵送又は持込により提出することも可能です。

③納税または還付の手続き

申告書の作成をし、提出を行う際には、納付書を金融機関等に持ち寄って納税をしたり、還付になる場合は還付の手続きを行います。
なお納税の方法ですが、e-Taxを用いる場合はATMやネットバンキングからの入金も可能です。またそうでない場合は現金納付、それに銀行口座からの自動引き落としなどが利用可能です。クレジットカード納付は、「国税クレジットカードお支払サイト」での手続きが必要で税額1万円ごとに76円(税込82円)の手数料が発生しますが、カードのポイントも付きますので、有利になる人はカード払いも検討していいでしょう。

2017年はマイナンバーが必須

2016年度から主に個人事業主などが用いる確定申告書Bでは、マイナンバーの記載が義務化されました。確定申告書の提出時には、マイナンバーを証明するために、顔写真入りのマイナンバーカードの提示か、マイナンバー通知書のコピーの提出(両方ともない場合はマインバーが記載された住民票など「番号確認書類」と免許証やパスポートなどの「身元確認書類」のコピーの提出)が必要になります。
多忙等により通知カードやマイナンバーカードを受け取れていなかった方は、この機会にカードを受け取り自分の番号の確認をしたりすると良いでしょう。

申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号を記載していない場合は税務署等で提出の受理はされるのか、記載していない場合に罰則があるのか(マイナンバーの記載にはどの程度の強制力があるのか)、気になる人も多いでしょう。
これについては、国税庁の「番号制度概要に関するFAQ」での「税務関係書類への番号記載」により、回答が示されています。結論としては、確定申告書にマイナンバーの記載がなくても申告書は受理されますし、罰則やペナルティはありません。ただし、国税庁では法律で定められた義務であるので遵守するよう呼び掛けています。マイナンバーの記載がない申告者にどこまで記載を促す通知や連絡があるかは分かりません。
マイナンバーを確定申告書に記載することにより、自分の収入源や、今後は金融機関情報とも紐づきがされていることになり、嫌な気持ちになる人も多いかもしれませんが、所得税等で収入除外や相続税で財産隠しなどがなければ納税面での実害は生じませんので、納税逃れをするズルい人が補足されやすくなり善良な納税者にとってはフェアになるのだと納得するのが健全でしょう。

Q2-3-2 申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号を記載していない場合、税務署等で受理されないのですか。

(答)
税務署等では、社会保障・税番号<マイナンバー>制度導入直後の混乱を回避する観点などを考慮し、申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合でも受理することとしていますが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出してください。
なお、記載がない場合、後日、税務署から連絡をさせていただく場合があります。

Q2-3-3 税務署等が受理した申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合や誤りがある場合には、罰則の適用はありますか。

(答)
税務署等が受理した申告書や法定調書等の税務関係書類にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合や誤りがある場合の罰則規定は、税法上設けられておりませんが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出をしてください

該当者は仕事の発痛者からマイナンバーの提示を既に要求されていることが多いでしょうが、源泉徴収義務者の会社等から仕事を請け負いお金をもらっている個人の場合、その相手は仕事の依頼先に関する支払調書にマイナンバーを記載しなければいけないため、マイナンバーの提出を要求してきます。提出を拒否することによる罰則等はありませんが、会社側はマイナンバー提示を拒否された理由を記録しておくものとされており、その場合相手に余計な事務負担を生じさせてしまいますし、信頼関係や心証にマイナスの影響を及ぼすかもしれませんので、よほど特別な事情や信条がない限りは素直に提出した方が良いでしょう。

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