宇宙開発に脳ビジネス、2030年に向けて伸びる産業の未来予測


技術の進歩は新しい産業を生み出します。2000年前後に行われていたタッチパネルやeインクの研究が、近年のスマホやタブレット、電子書籍の開発・普及に繋がっていますし、新たな炭素繊維の研究などが自動車の軽量化と燃費向上などに寄与してきました。
新技術は様々な分野で研究をされており、それが未来の産業に繋がります。今回はそのような観点から日経ヴェリタス2017年1月1日〜7日号に掲載されていた特集「2030年の主役を追え」をもとに、今後2030年に向けて技術開発が進み新たな産業として伸びていくであろう分野のまとめをお届けします。

脳波デバイス・脳ビジネス

今回の日経ヴェリタスの特集の中でも特に力を入れられていたのが、脳ビジネスに関する記事です。脳は人体最後のフロンティアとも呼ばれており、世界中で多くの学者が研究に取り組んでいます。しまし、その全貌はまだ解き明かされていません。それでも徐々にその研究は進んでおり、医療の世界だけではなく日常生活やビジネスのシーンで利用できるような製品やサービスの開発が進んできていることが伝えられています。

例えば脳波によってコントロールできる脳波デバイスは、その代表例と言えるでしょう。脳波とは、意識的な思考や無意識的な人体制御など脳の活動に伴って発生する電気活動を記録したものですが、その電気活動をリアルタイムで適切に計測できれば念じるだけで機械に指令を送り操作を行うことが可能とされています。
実際に現時点でも脳波マウスというものが販売されており、一時期話題を集めていました。

また脳波をはじめとした脳の状態の計測の利用は機械への指令に限定されません。現在脳波をはじめ測定可能な脳のデータから、人が五感を通してどのようなものを感じているのか、また現状を快適と思っているか不快と思っているのかを測定する技術の研究が、メガネレンズメーカーの東海光学や日立ハイテクノロジーズなどで進んでいます。
こうした技術の開発が進めば、人間が操作を意識しなくとも自動的に快適な温度・湿度を保ってくれる空調の開発などが可能ですし、他に消費者モニタリングなどに活用して精緻なマーケティング用データを測定することなども可能になります。

AI・IoT

すでに2017年段階でも様々なシーンで利用が進むといわれているAI(人工頭脳)やIoT(物のインターネット接続)ですが、2030年に向けてさらなる進化が予測されています。特に重要となる切り口はシンギュラリティーの実現でしょう。
シンギュラリティーとは技術的特異点と訳されますが、人工頭脳の能力が人間の能力を超えることで、人工頭脳の能力含めて科学技術が加速度的に発展し社会の姿が大きく変わっていく未来を現す概念で、一部の科学者の予測では2030年〜2045年頃の間には実現するだろうと言われています。

本当に人間を超えた知性を持った人工頭脳が生まれた時、社会がどうなってしまうのかを予見するのは難しいですが、その前段階として現在のホワイトカラーの仕事をも人工頭脳が代替えするようになるかもしれません。また2030年頃には重要な会議などに人工頭脳がオブザーバーとして参加するようになる可能性があります。

宇宙開発

気軽に宇宙へ旅行に行くという人類の夢の実現可能性も高まってきました。人類はまだ月以外の惑星への有人飛行を実現させていないので、2030年段階ではその範囲は限定的です。しかし、ロケットに乗って宇宙に飛び出し無重力を体験するくらいの旅行であれば、現在の世界一周旅行と同じ数百万円程度の予算で参加出来るようになると言われています。

また2015年の宇宙産業の規模は全世界で約37兆円ですが、この数字はそれまでの5年間で3割増加しており、今後10年ほどで60兆円を超える規模になるだろうと言われています。
このように宇宙産業が拡大する理由の1つが小型衛星の打ち上げです。高精度なGPSや地上の画像解析は、今後自動運転などの分野を進めていく上で欠かすことができません。また米国の著名起業家イーロン・マスク氏は4000基の衛星で地球を覆い、世界的な高速通信網を築く計画を立ち上げています。

新素材開発

新素材の開発も2030年に向けた重要なテーマといえるでしょう。また日本経済にとっても近年家庭向け電化製品や半導体などの苦戦が続き、電気自動車や自動運転車の登場で自動車産業の将来も不安視されている中日本が強みを維持していくことが期待されている分野です。
例えば日本製紙は木材由来のパルプから作られる極めて微細な天然繊維、セルロースナノファイバー(CNF)の研究を進めています。この新素材はまだ価格が高いという欠点がありますが、鉄よりも軽く強いと言われており自動車部品などへの応用が期待されています。
またベンチャー起業のTBMは世界中に豊富にある石灰石からプラスチックに近い働きをする新素材、ライメックスを作り出す研究をしており、将来の石油枯渇に不安を感じている中東の産油国からも注目を浴びています。

確かに日本社会には人工の減少や高齢化など様々な問題がありますが、上記のような技術開発はそれらを解決するきっかけを提供していくれるかもしれません。資産運用だけでなく、仕事などのあり方や今後のプランを考える上でも注目するべき分野と言えるでしょう。

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